ハワイ 山火事 “サイレン鳴らせば津波と勘違いも” 地元当局

ハワイのマウイ島で起きた山火事で緊急事態を知らせるサイレンが鳴らなかったことについて、地元当局の担当者は16日、「サイレンを鳴らせば津波と勘違いして住民が山に向かったかもしれない」と述べてあえてサイレンを鳴らさなかったと説明し、地元メディアからは対応を疑問視する声が出ています。

8月8日にハワイのマウイ島で起きた山火事では、これまでに111人の死亡が確認されました。

山火事をめぐっては当日、緊急事態を知らせるサイレンが鳴らなかったことがわかっていて、住民の避難が遅れた一因ではないかとみられています。

これについて地元当局の担当者は16日の記者会見で、サイレンがいずれも海岸線沿いに設置され主に津波のおそれがある際に使われてきたことを強調しました。

そして「サイレンを鳴らせば津波と勘違いして住民が山に向かったかもしれない。そうすれば炎に突っ込んでいくことになる」と述べ、あえてサイレンを鳴らさなかったと説明しました。

そのうえで「判断を後悔していない」と述べ、サイレンを鳴らさなかったことを正当化しました。

ただ、地元当局が3年前に制作したサイレンについての説明動画などでは、サイレンは津波だけでなくハリケーンや山火事、火山活動などの際にも使用できるとしています。

ラハイナの住民からは「サイレンが鳴らず、迫ってくる煙を見るまで危険に気付けなかった」といった証言が相次いでいて、地元メディアからは対応を疑問視する声がでています