お盆の時期の発熱外来 患者が相次ぎ対応に追われる

お盆の時期に休診するクリニックが多い中、発熱外来での診療を続ける医療機関には、受診を希望する患者が相次いで訪れ、対応に追われています。

新型コロナ感染が判明するケースも増加

毎年8月のお盆は休診するクリニックが多い時期に当たりますが、診療を続ける川崎市の新百合ヶ丘総合病院では発熱やのどの痛みを訴える患者が次々と訪れています。

病院では、発熱外来で1日当たり20人の予約枠を設けていますが、8月初めごろに1日10人程度だった受診者数が先週後半から急に増えはじめ、今週は1日40人を超える患者が訪れる日も出てきているということです。

厚生労働省がまとめた新型コロナウイルスの全国の感染状況では、8月6日までの1週間で1医療機関当たりの平均の患者数が15.81人で、前の週からほぼ横ばいでしたが、この病院では、新型コロナの陽性率も上がってきています。

8月は16日までに受診した患者の7割近くが陽性で、3年前の11月以降で最も高い陽性率になり、感染の広がりを感じているということです。

さらに、救急外来で受け入れた患者の新型コロナへの感染が判明するケースも増えていて、先月陽性が判明したのは80人でしたが、8月は16日までで、すでに63人が陽性となっています。

17日も熱中症の疑いで搬送されてきた女性の陽性が確認され、新型コロナの飲み薬を処方されていました。

伊藤敏孝 救急センター長
「発熱外来ではこの1週間で患者が非常に増えている。救急でほかの重い病気やけがの患者とコロナの患者が重なると診療が遅くなってしまうので影響を懸念している。体が動かせないとか呼吸が苦しい場合は遠慮無く救急車を呼んでほしいが、発熱があっても、解熱剤を飲んで安静に過ごせる場合は昼間に外来を受診してほしい」

救急外来を受診してほしい事例

新型コロナの感染疑いなど発熱をしたときに、救急を受診するかどうか迷うかもしれません。

新型コロナに関する相談先として、各都道府県が設ける電話相談窓口「受診・相談センター」で
▽発熱したときに医療機関を受診するか迷ったときや
▽自宅療養中に体調が急変したときなどにも原則24時間、いつでも電話で相談することができます。

また、新百合ヶ丘総合病院の伊藤敏孝救急センター長によりますと、発熱したときに救急外来を受診してほしい事例として、次のようなケースを挙げています。

▽息苦しい
▽水分が取れなくなる
▽体が動かせなくなる

一方で、発熱があっても、食欲がある、水分がとれているケースでは、慌てて救急受診をする必要はないとして、解熱剤などを服用して安静に過ごし、日中の診療時間に発熱外来やかかりつけ医を受診するよう呼びかけています。