ハワイ 山火事 死亡確認110人に 州知事 態勢強化し捜索続ける

ハワイのマウイ島で起きた山火事で、地元のグリーン州知事は16日、これまでに110人の死亡が確認されたと発表しました。
グリーン州知事は「態勢を大きく強化している」と述べた上で、バイデン大統領から、連邦政府が数億ドルの資金を今後提供する見込みだと伝えられたことを明らかにしました。

今月8日にハワイのマウイ島で起きた山火事では、火が強風にあおられて市街地に急速に燃え広がりました。

ハワイのグリーン州知事は16日会見を開き、これまでに大きな被害を受けた地域全体の38%で捜索が終わり、110人の死亡が確認されたと発表しました。

そして、「態勢を大きく強化している」と述べ、行方の分からない人の捜索にあたる人員や、捜索犬の数を増やすとともに、DNAの専門家と協力して犠牲者の身元の特定を急ぐ考えを示しました。

また、16日の早朝にはバイデン大統領から、連邦政府が数億ドルの資金を今後提供する見込みだと伝えられたことを明らかにしました。

グリーン氏は「復興には長い時間と費用が必要になる。われわれは長期的な計画を練っている最中だ」と述べ、停電の影響を受けているおよそ2000人に対して電力を供給するとともに、避難者などが利用できるホテルの確保を進めていると強調しました。

ボランティアとして活動する人は

ボランティアとして物資の配布にあたっているアレン・アトキンソンさんによりますと、ラハイナ周辺には自宅などにとどまって生活を続けている人たちが大勢いて、各地に設けられた拠点から物資が配られているということです。

アトキンソンさんは「ある日、男性が『この服しか持っていない。なにか着るものはありませんか』と私たちのところにやってきた。彼は家も焼け、すべてを失っていた。そうした人たちが物資を私たちの手の届かないところにすすんで配布してくれていることに驚いている」と話しました。

そして、「家が焼かれて寝る場所もない人たちと日中話していると、私自身が家に帰ってベッドで眠る生活をおくれている現状とあまりに違いすぎて、ときに理解が追いつかなくなることもある。誰もが自分のできることをしている」と話していました。