NY市場 一時 1ドル=146円台に値下がり ことし最安値を更新

16日、ニューヨークの外国為替市場では円相場が一時、1ドル=146円台に値下がりしました。円相場が1ドル=146円台をつけるのは去年11月以来、およそ9か月ぶりです。

16日のニューヨーク外国為替市場では円安が進み、円相場は一時、1ドル=146円台前半まで値下がりし、ことしの最安値を更新しました。

アメリカの長期金利の上昇傾向が続く中、円を売ってより利回りが見込めるドルを買う動きが強まりました。

市場では、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会が高い金利水準を維持する一方、日銀は当面、いまの大規模な金融緩和を継続するとして、しばらく日米の金利差が縮小しないという観測が広がっています。

市場関係者は、「アメリカでは個人消費や雇用など堅調な経済指標が相次いで発表され、ことし7月から9月までのGDP=国内総生産の伸び率が年率に換算してプラス5.8%と高い成長になるという予測も出ている。経済成長が続くことでインフレが再び加速するリスクがあり、FRBはインフレを抑えこむため高い金利水準を続けざるをえないという見方が出ている」と話しています。

急速な円安「日本政府・日銀が市場介入に踏み切るかどうか焦点」

16日のニューヨーク外国為替市場では円安が進み、日本政府・日銀が去年9月、24年ぶりにドル売り円買いの市場介入を行った1ドル=145円90銭という水準を一気にこえました。

円相場は日銀が先月28日、長期金利の一段の上昇を容認することを決めた直後に1ドル=138円台前半まで円高が進みましたが、その後は一転して円安傾向となり3週間足らずの間におよそ8円円安が進みました。

市場関係者は、「鈴木財務大臣が為替市場の動向は高い緊張感を持って注視していると発言しており、円安に歯止めをかけるため日本政府・日銀が市場介入に踏み切るかどうかが焦点になっている」と話しています。

一方、日本では、外国人旅行者のインバウンド消費が増加していることや、ことし6月の貿易収支が黒字となるなど、去年秋とは状況が異なり、全体として円安メリットのほうが大きくなっているという指摘もあります。

外国為替市場では夏休みシーズンで取り引きが限られ変動幅が大きくなりやすいため、一段と円安が進む可能性もあり、日本政府・日銀の対応が注目されています。