オープンハウスグループ 同業の三栄建築設計を買収へ

不動産大手の「オープンハウスグループ」は、同業の「三栄建築設計」を買収する方針を決めました。「三栄建築設計」は、元社長が暴力団員に金銭を供与していたとして東京都公安委員会から暴力団排除条例に基づく勧告を受けていましたが、新たな体制のもとで経営の立て直しを目指すことになります。

発表によりますと、「オープンハウスグループ」は「三栄建築設計」に対して17日から来月下旬にかけてTOBを行ったうえで、最終的にはすべての株式の取得を目指すということです。

買収金額は総額で429億円余りとなる見込みです。

「三栄建築設計」は、東京証券取引所の最上位のプライム市場に上場していますが創業者の元社長が暴力団員におよそ190万円を渡したとしてことし6月、東京都公安委員会から都の暴力団排除条例に基づき利益供与をしないよう勧告を受けました。

会社は、15日弁護士でつくる第三者委員会が調査してまとめた報告書を公表し、この中では工事代金の支払いのために振り出した小切手が暴力団員に渡ることを元社長は認識していたと結論づけています。

元社長は、去年11月に、社長の役職のほか取締役についても辞任しましたが会社は、元社長が大株主として影響力を残したままでは、取り引き銀行から融資を受けられなくなるおそれがあるとして対応を検討していました。

その結果「オープンハウスグループ」が元社長の保有分も含めて会社のすべての株式を取得して子会社化する方針を決めたもので「三栄建築設計」は新たな体制のもとで経営の立て直しを目指すことになります。

オープンハウスグループ “買収にあたり慎重な検討行った”

「三栄建築設計」を買収する方針を決めるにあたって「オープンハウスグループ」は、取締役会として慎重な検討を行ったとしています。

「オープンハウスグループ」は、「三栄建築設計」が15日公表した第三者委員会の調査報告書では、元社長と暴力団員との関係性は20年以上の長期にわたり、複数の取り引き事実が認められるとの指摘があったものの、元社長と3人の元従業員を除き暴力団員と直接関わりをもった人はいなかったと認定されたなどとしています。

そのうえで、元社長による経営や役職員への影響力を排除することが経営の健全化をはかるために重要だと考えたとしています。

さらに、元社長とTOB=株式の公開買い付けへの応募契約を結んでおり、契約には元社長がTOBによる対価を反社会的勢力に提供しないとする条件も含まれているということです。

また、買収によって子会社化することでさまざまなシナジー効果が見込まれ、企業価値の向上につながるとしているほか、戸建て建築業界の今後の発展にも貢献できると判断したとしています。