将棋「王位戦」第4局 挑戦者の佐々木七段 1勝を返す

将棋の八大タイトルの1つ「王位戦」七番勝負の第4局が佐賀県嬉野市で行われ、挑戦者の佐々木大地七段(28)が、ここまで3連勝で防衛に王手をかけている藤井聡太七冠(21)に勝って1勝を返し、初めてのタイトル獲得に望みをつなぎました。

王位戦第4局は15日、佐賀県嬉野市で始まりました。

2日目の16日は、後手の藤井七冠が15日の対局終了時に次の1手を書いた「封じ手」から再開しました。

これに対して先手の佐々木七段は1時間半を超える長考を見せ、対局は15日に続いてゆっくりとしたペースで進みます。

じりじりとした展開が続く中、佐々木七段が「角」を活用して藤井七冠の「飛車」を取り、形勢を有利にすると、藤井七冠も持ち駒を繰り出して反撃を試みます。

佐々木七段の攻めに粘りを見せた藤井七冠でしたが、徐々に追い詰められ、午後6時26分、藤井七冠が85手までで投了しました。

佐々木七段は、今回の七番勝負で初勝利をあげて1勝を返し、初めてのタイトル獲得に望みをつなぎました。

一方、藤井七冠はここまで3勝で防衛に王手をかけていて、次の第5局で「王位戦」4連覇と今年度3回目のタイトル防衛を目指します。

第5局は、今月22日と23日に徳島市で行われる予定です。

佐々木七段「終始 難しい将棋だった」

今回の王位戦七番勝負で初勝利をあげた佐々木大地七段は、対局のあと「相手の飛車を取れる展開になればこちらもねらいができるかと思っていたが、なかなか局面のポイントが分からず、終始、難しい将棋だった。次の対局も近いので、開き直って淡々と指したい」と話していました。

藤井七冠「次は立て直せるように頑張りたい」

一方、敗れた藤井聡太七冠は、「第4局は飛車の配置が悪くて少しずつ展開を悪くしてしまっていたと思う。封じ手の前後でうまく判断できなかった。課題が多い内容だったので、次は立て直せるように頑張りたい」と話していました。