4~6月のGDP +6.0%の高い伸びも「個人消費」でマイナス

15日、発表されたことし4月から6月までのGDP=国内総生産の伸び率は、市場の予想を上回る高い伸びになりました。ただ、長引く物価上昇の影響で「個人消費」がマイナスとなっていて、専門家は賃上げを通じて消費の底上げを行うことが重要だと指摘しています。

ことし4月から6月までのGDP=国内総生産は、前の3か月と比べた伸び率が物価の上昇を除いた実質の年率換算でプラス6.0%と市場の予想を上回る伸びとなりました。

ただ、GDPの半分以上を占める「個人消費」は前の3か月と比べてマイナス0.5%と3期ぶりにマイナスになりました。

中でも、
▽白物家電の販売減少で「耐久財」がマイナス3.3%と落ち込みが大きかったほか、
▽食料品や日用品など「非耐久財」もマイナス1.9%と、物価上昇で消費者の節約志向が強まっていることをうかがわせる結果となりました。

一方、GDPとあわせて発表された従業員が受け取った賃金などを示す「雇用者報酬」は、前の3か月と比べて実質でプラス0.6%と7期ぶりに増加に転じています。

こうした動きについて「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」の小林真一郎主席研究員は、「今後のGDPは個人消費次第だ。少しずつ持ち直している賃金が伸びていくのかどうかが、今後の景気の大きな流れを左右する」と指摘し、持続的な成長に向けて賃上げを通じた消費の底上げが重要だという見方を示しています。