ハワイ 山火事 死者99人 強風で切れた送電線が火元の可能性

ハワイのマウイ島で起きた山火事で死亡が確認された人は、これまでに99人に上っています。強風で切れた送電線が山火事の火元になった可能性が指摘されるなか、ハワイの電力会社は事実関係を確認するため地元当局の調査に全面的に協力する考えを示しました。

今月8日にハワイのマウイ島で起きた山火事では、ハリケーンに伴う強風の影響で観光地ラハイナが壊滅的な被害を受け、アメリカの山火事の犠牲者としてはこの100年余りで最も多い99人の死亡がこれまでに確認されました。

地元の警察は14日、これまでに捜索を終えた範囲が、被害を受けた地域全体の25%ほどにとどまると明らかにし、犠牲者の数はさらに増えるおそれがあります。

ラハイナを含むマウイ島西部はいまも安全を確保するためとして立ち入りが制限されています。

14日は住民や復旧作業に携わる人などを対象に、道路の通行証が配られることになり、配布場所の公園では朝から車が長い列を作りました。

しかし、対象ではない人が申請に訪れているとして、昼ごろには一転して通行証の配布が取りやめられるなど混乱が続いています。

一方、山火事の原因をめぐりアメリカの複数のメディアは、強風によって切れた送電線が火元になった可能性があるという専門家の見方を伝えています。

また、ラハイナの住民は12日、ハワイの電力会社と子会社を相手取り、必要な対策を怠ったなどとして集団訴訟を起こしました。

こうしたことを受けてハワイの電力会社は、14日の記者会見でいまは復旧作業に力を注いでいる段階だとしたうえで、今後、事実関係を確認するため地元当局の調査に全面的に協力する考えを示しました。

東京 八丈町が義援金募集

昭和39年からマウイ島があるハワイ州マウイ郡と姉妹都市として提携を結ぶ東京 伊豆諸島の八丈町は、現地を支援しようと、町の住民などから義援金を募ることになりました。

町によりますと、16日から義援金を集める箱を町役場と出張所の合わせて5か所に設置し、来月末まで募集をする予定だということです。

八丈島は、かつて「東洋のハワイ」とも呼ばれ、昭和40年代には新婚旅行の観光客などでにぎわっていたこともあったということです。

町は「長年にわたって交流を続けてきたマウイ島を支援したいという思いで計画したので、ぜひ協力をお願いしたい」としています。