アフガニスタン タリバン復権から2年 国際社会との対話焦点に

アフガニスタンで、イスラム主義勢力 タリバンが実権を握ってから15日で2年です。
タリバンによる女性の権利の制限が強まり、経済の低迷も続く中で、国際社会との対話の行方が焦点になります。

アフガニスタンでは、おととし8月15日、アメリカ軍が撤退を進める中、タリバンが首都カブールを制圧し、その後、暫定政権を発足させて、独自に解釈したイスラム法に基づく、統治を行っています。

タリバンは女性の教育や就労などを制限していて、
▽女性は小学校までしか通えなくなっているほか、
▽NGOや国連などで働く女性の職員の出勤も停止され、
▽さらに、先月には国内にある美容院を閉鎖する命令が下ったことが明らかになりました。

国連などは再三にわたり事態の改善を求めていますが、タリバンは応じておらず、これまでに政権を承認した国はありません。

国外からの支援は滞り、経済の低迷や食料不足も深刻になっていて、国連は人口の3分の2以上が人道支援を必要としていると指摘しています。

こうした中、先月にはタリバンのムッタキ外相代行が、カタールでアメリカ国務省の高官と会談し、アメリカが続けているアフガニスタン中央銀行の国外資産の凍結措置を解除することなどを求めました。

制裁などの解除や暫定政権の承認を求めるタリバン側と、食料などの支援を行いつつも女性の権利をめぐる状況の改善を求める国際社会との対話の行方が焦点になります。

暫定政権 副経済相 女性の教育や就労機会制限を正当化

タリバンが復権してから2年を前に、暫定政権で経済政策などを担うナザリ副経済相がNHKのインタビューに応じ、女性の教育や就労の機会を制限し国際社会の非難が集まっていることについて、「学校や大学の制度をイスラム法やわれわれの規則にのっとった形にするものだ」などと述べて正当化しました。

そのうえで「欧米などは自分たちの要求を受け入れるようわれわれに圧力をかけているが、どんな国であれ、内政問題に干渉するのは受け入れられない」と述べて非難しました。

そして、まずは欧米などが経済制裁を解除してタリバンを正式な政権として認めるよう求めたうえで「われわれは国際社会との間のどんな問題も対話を通して解決するべきだと信じている」と述べて、各国政府との対話の用意があるという考えを示しました。

一方、暫定政権が中国の企業との間で国内の鉱山や太陽光発電などへの投資をめぐり協議を行っていることを明らかにしたうえで「われわれの国益に見合うのであれば鉱山の分野などで投資をしたい国はどんな国でも歓迎する」と述べ、欧米をけん制しました。