新型コロナ 全国の感染状況 前週比わずかに減少も ほぼ横ばい

新型コロナウイルスの全国の感染状況は、今月6日までの1週間では1つの医療機関あたりの平均の患者数が15.81人で、前の週に比べわずかに減少したものの、ほぼ横ばいの状態となっています。また、23の都道県では前の週より増加していて、厚生労働省は「例年、お盆明けは感染拡大のピークとなるので、高齢者と一緒に過ごす際には体調に留意し、マスクを着用するなど引き続き感染対策を行ってほしい」としています。

厚生労働省によりますと、今月6日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から565人減って7万7937人となりました。

また、1つの医療機関あたりの平均の患者数は15.81人で前の週の0.99倍となり、ほぼ横ばいの状況となっています。

都道府県別では多い順に▼佐賀県が34.69人▼長崎県が28.46人▼宮崎県が25.84人▼大分県が24.86人▼石川県が24.1人などとなっていて、23の都道県で前の週より増加しています。

このほか、今月6日までの1週間に新たに入院した人は全国で1万1801人で、前の週と比べて167人の増加となりました。

厚生労働省は全国の流行状況について「感染状況はほぼ横ばいの傾向が続いており、入院外来もひっ迫していない状態だが、例年、お盆明けは感染拡大のピークとなるので、高齢者と一緒に過ごす際には、体調に留意し、マスクを着用するなど引き続き感染対策を行ってほしい」としています。

都道府県別 1医療機関当たりの平均患者数

▼佐賀県は34.69人
▼長崎県は28.46人
▼宮崎県は25.84人
▼大分県は24.86人
▼石川県は24.1人
▼熊本県は22.41人
▼鳥取県は21.97人
▼山口県は21.18人
▼福岡県は21.0人
▼鹿児島県は20.76人
▼愛知県は19.87人
▼愛媛県は19.67人
▼宮城県は18.87人
▼新潟県は18.71人
▼高知県は18.55人
▼千葉県は17.92人
▼岐阜県は17.9人
▼三重県は17.56人
▼静岡県は17.42人
▼茨城県は17.38人
▼奈良県は17.31人
▼徳島県は16.84人
▼香川県は16.7人
▼和歌山県は16.53人
▼京都府は16.07人
▼岩手県は15.79人
▼島根県は15.71人
▼滋賀県は15.23人
▼広島県は14.77人
▼埼玉県は14.7人
▼岡山県は14.27人
▼福島県は14.2人
▼兵庫県は13.97人
▼大阪府は13.69人
▼青森県は13.62人
▼長野県は12.98人
▼栃木県は12.67人
▼山形県は12.42人
▼山梨県は12.41人
▼富山県は11.9人
▼神奈川県は11.7人
▼東京都は11.53人
▼沖縄県は10.54人
▼福井県は10.38人
▼北海道は10.16人
▼群馬県は9.95人
▼秋田県は8.08人

専門家「今月末に向けて再び増加も」

新型コロナの現在の感染状況について、感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「1週間前に比べてやや減少しているが、夏休み期間で10代の学校での感染が減ったことが要因として考えられる。一方で、60代以上の高齢者は引き続き増加が続いていて、横ばいの状況とみていいと思う」と話しています。

今後の見通しについては、お盆で人の移動が活発になっていることや、台風の接近で外出を控えて家で家族などと過ごす人が増えることで、人と人との接触が増え、感染が広がりやすい状況になっているとして「今月末に向けて再び増加に転じる可能性が高い」と指摘しました。

その上で「新型コロナを疑う症状がある場合は、食事会や行事への参加を控えるなどの対応を考えてもらいたい。お盆休みが明けて仕事を再開するときに体調が悪い場合は、検査を受けたり、無理せずに休んだりすることが大事だ」と話していました。

また現在、オミクロン株のうち、EG.5という変異ウイルスが増加傾向にあることについて「EG.5は従来のオミクロン株よりやや感染力が強いのではないかと懸念されていて、世界的にも感染が拡大している。WHO=世界保健機関は病原性は高くないのではないかとしているが、感染力がどの程度なのか注視していく必要がある」と述べました。