5類移行で初のお盆 人の移動はどうなった? ビッグデータ解析

新型コロナが5類に移行してはじめて迎えたことしのお盆。どれくらいの人が移動したのかを携帯電話のビッグデータで解析すると、感染が拡大する前の2019年を初めて上回ったことが分かりました。

ことしは阿波おどりが制限の無い形で開催されている徳島県をはじめ、東北や四国など地方への移動が大きく増加しています。

ことしはどれだけ移動した?

NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたデータを使い、下りのピークの11日を中心とした10日から12日の3日間について都道府県をまたいで移動した人の数を分析しました。
(データの詳細は記事の最後に)

感染拡大前の2019年を100%として毎年のお盆の期間の結果を比較した図がこちらです。

感染拡大直後の2020年は65%と落ち込みましたが、その後は毎年、回復傾向で、2022年には92%とほぼ感染拡大前まで戻りました。

そして、ことしは106%とはじめて感染拡大前を上回りました。

どこへ移動した?

では、どこへ移動したのか。

移動先を都道府県ごとに集計した地図です。

東北や北陸、四国、中国など地方を中心に大きく増加した一方、関東や近畿などの都市部では依然、感染拡大前を下回るなど移動が控えられた結果となりました。

最も増加したのは▽徳島県で165%。

ことしは座席数の制限をなくして徳島市の阿波おどりが開催されています。

続いて
▽秋田県が161%、
▽新潟県が157%、
▽青森県が154%と
これまで控える傾向が見られた東北などへの移動が大きく回復しています。

また▽高知県が154%。
こちらも4年ぶりの通常開催となる「よさこい祭り」が行われました。

さらに
▽山形県が153%、
▽鳥取県と香川県、愛媛県が147%、
▽和歌山県が145%などとなっています。

地域によっては台風の影響から移動を取りやめる動きもあった可能性もありますが、東北や四国など地方を中心に大きく人の移動が増加しています。

都市部は選ばれず

一方で、低い順に見ると依然、感染拡大前よりも減少していたのが、▽東京都で73%。

次いで
▽大阪府が86%、
▽神奈川県が97%、
▽京都府が99%。

移動先として地方が大きく増加したのに比べ、都市部への移動は引き続き控えられた結果となりました。

また
▽埼玉県が100%、
▽愛知県と滋賀県が105%、
▽千葉県が109%、
▽兵庫県が111%などと
都市部とその周辺も感染拡大前を上回ったものの、大きな増加は見られませんでした。

データの詳細

※データ提供:モバイル空間統計(ドコモ・インサイトマーケティング)
※対象:15歳~79歳。訪日外国人旅行者は含まず。
※期間:各年のお盆の下りのピークを中心とした3日間、午後3時台の平均値を比較。
※各年の期間は以下の通り。
▽2019年8月8日~10日
▽2020年8月6日~8日
▽2021年8月6日~8日
▽2022年8月10日~12日
▽2023年8月10日~12日