ハワイ 山火事 死者93人 犠牲者の身元特定進まず協力呼びかけ

ハワイのマウイ島で起きた山火事ではこれまでに93人が亡くなり、アメリカの山火事としてはこの100年余りで最悪の被害となっています。犠牲者はさらに増えるとみられ、地元当局は捜索活動の態勢を強化するとともに行方不明になった人の家族にDNA鑑定による身元の確認への協力を呼びかけています。

ハワイのマウイ島で今月8日に発生した山火事は、ハリケーンに伴う強風にあおられて市街地に燃え広がった結果、12日までに確認された死者の数は93人に上っていて、アメリカで起きた山火事の犠牲者としては過去100年余りで最悪の被害となっています。

壊滅的な被害を受けた西部のラハイナなどマウイ島の一部では、12日も火災が続いたということで、消火活動を続けながら捜索活動が行われています。

これまでに捜索が行われたのは限られた範囲であることなどから犠牲者はさらに増えるとみられていて、地元当局は捜索にあたる犬の数を増やし、態勢を強化して行方がわからなくなっている人の捜索を急ぐことにしています。

また、犠牲者の身元の特定も進んでいないことから行方不明になった人の家族に対しDNA鑑定による身元の確認への協力を呼びかけています。

一方、今回の山火事では自宅を失った住民も多く、地元当局はホテルの部屋を1000室確保し、避難者などが無料で利用できるよう手配しているということで、住民の避難生活への対応にも追われています。

島の西側への立ち入りを規制

マウイ島では山火事で焼けた地域の安全の確保や行方不明者の捜索のために現場を保存する必要があることなどから、島の西側の大部分への立ち入りが規制されています。

立ち入りが認められているのは地域の住民や復旧作業にあたる車両のみで、壊滅的な被害を受けたラハイナに向かう道路では13日も警察官が検問所を設けて運転手の証明書などを確認していました。