専門人材不足 企業と大学の連携強化へ新たな取り組み始まる

高度な技術を持つ専門人材が不足する中、企業の間で大学との連携を強化する新たな取り組みが始まっています。

化学メーカーのレゾナック・ホールディングスは、東京工業大学の博士課程の学生らと共同研究を行う取り組みを始めました。

横浜市の研究拠点で6週間にわたって、半導体の新たな素材などの開発に向けた研究に社員の技術者と学生が協力して取り組みます。

企業の研究開発の現場に直接触れてもらうことで就職先の選択肢として検討してもらうことがねらいです。

量子計算を活用した半導体素材の研究をしている学生は「民間企業の研究ペースの速さに驚いた。今回の取り組みで自分の強みや経験を考える機会になった」と話していました。

福島正人CTOは「人材の獲得競争は激しくなっているが、学生にはこの会社では多様な事業で計算科学を応用できることをアピールしたい」と話していました。

大学院の専門人材の獲得をめぐっては、NECが博士課程に進学する前の段階で卒業後の内定を約束する制度を始めているほか、富士通は就職後も大学院に籍を置きながら社内で研究を続けられる制度を設けていて、企業の間でこうした取り組みはさらに広がりそうです。