【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(14日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる14日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

中国国防相がロシアとベラルーシ訪問へ

中国国防省によりますと、李尚福国防相がロシアのショイグ国防相とベラルーシのフレニン国防相の招きで、15日から今月19日までの日程でロシアとベラルーシを訪問するということです。

ロシア訪問中は、フォーラムで演説を行うほかロシア側と会談するとしています。

また、ベラルーシでは、ルカシェンコ大統領と会談するということです。

李国防相はことし4月にもロシアを訪問してプーチン大統領やショイグ国防相と会談しているほか、中ロ両国は合同パトロールや軍事演習を実施するなど軍の連携を強めています。

中国としてはアメリカとの対立が続くなか、ロシアと、ロシアと同盟関係にあるベラルーシを訪問することで両国の結束を改めて確認するねらいがあるとみられます。

「東部ドネツク州である程度の成功」ウクライナメディア

ウクライナメディアは14日、マリャル国防次官の話として、東部ドネツク州の集落ウロジャイネ周辺の戦況について「ある程度の成功を収めている」として抵抗を受けながらも一定の前進があったと成果を強調しています。

ロイター通信によりますと、現地のロシア側の当局者も「過去2週間の戦闘によってウクライナ軍がウロジャイネ北部に足場を築いた」とウクライナ側の前進を認めつつもウロジャイネの南部については依然としてロシア軍が支配しているとしています。

また、イギリス国防省は、14日に発表した分析で、南部のドニプロ川の下流域でも戦闘が激化していてロシア軍が支配する川の東側にウクライナ軍が渡り小規模な拠点を築いたとしています。

イギリス国防省は、ロシア側はこの地域の部隊をさらに強化するか、東部に部隊を展開するかの選択を迫られていると指摘しています。

「南部オデーサ州でロシア軍のミサイルや無人機が攻撃」州当局

南部オデーサ州の当局によりますと、ロシア軍は14日、巡航ミサイル8発や無人機15機を使って市の中心部への攻撃を行ったとしています。

ミサイルなどは、すべて迎撃したということですが、破片がスーパーマーケットを直撃して大規模な火災が発生し、従業員3人がけがをしたということです。

「これまでに子ども500人死亡」ウクライナ検察当局

軍事侵攻が始まってから今月24日で1年半となる中、ウクライナの検察当局は13日、これまでに戦闘や攻撃に巻き込まれて500人の子どもが死亡し、1097人の子どもが負傷したと発表しました。

負傷した子どもの数を地域別にみると、戦闘の激しい東部のドネツク州で485人と最も多くなっていて、東部ハルキウ州で298人、首都近郊のキーウ州でも129人に上っています。

ロシア側が占領を続ける地域での犠牲者の数は把握されていないことから、ウクライナの検察当局は実際に死傷した子どもはさらに多いとみています。

ウクライナ軍 南部で陣地固めるも 東部で激しく攻防か

ウクライナ軍の参謀本部は13日、南部ザポリージャ州のメリトポリやアゾフ海に面したベルジャンシクへ向かう方面で攻勢を続け、このうちロボティネ付近では部分的に成功を収め、陣地を固めて砲撃を行っていると発表しました。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は12日の分析で、ザポリージャ州のウロジャイネ付近でロシア軍が陣地を放棄した一方、ウクライナ軍の攻撃をロシア軍が撃退したという情報もあるとしていて、一進一退の戦闘を続けているとみられます。

一方、東部ハルキウ州のクピヤンシクの周辺では、ロシア軍の攻撃は成果を上げていないものの、ウクライナ軍の反撃も一部で失敗したという情報があり、双方が激しい攻防戦を繰り広げているとみられます。

南部ヘルソン州の集落に砲撃 乳児ら7人が死亡

ウクライナのクリメンコ内相は13日、SNSで、南部ヘルソン州の2つの集落にロシア軍の砲撃があり、あわせて7人が死亡したと発表しました。この中には、夫婦2人と生後23日の女の子1人が含まれているとしていて、クリメンコ内相は「テロリストは力によって食い止めなければならない」と非難しました。

ロシア国防省 “黒海で貨物船を停船させ検査した”

ロシア国防省は13日、黒海の南西海域で、海軍の哨戒艦がパラオ船籍の貨物船に対し、警告のための発砲をして強制的に停船させたうえで、検査を行ったと発表しました。

ロシア国防省は、貨物船がウクライナ南部オデーサ州のドナウ川沿いにある港に向かっていたとして「禁止された貨物がないか検査するため停船を要求したが応じなかった」と主張しています。

黒海をめぐり、ロシアは先月、ウクライナ産農産物の輸出をめぐる合意の履行を停止し、黒海でウクライナに向かう船舶は軍事物資を輸送している可能性があるとみなすなどと警告しました。

これに対しウクライナ海軍は今月10日、民間の船舶が黒海に面した南部の港に出入りする臨時航路を新たに設けたと発表していて、ロシアとしては実際に臨検を行ったと発表することで強く威嚇したかたちです。