岩手 半日で年間雨量の約4割の雨 東北太平洋側で大気不安定に

前線や暖かく湿った空気の影響で東北の太平洋側では大気の状態が不安定になっていて、岩手県では14日朝までの半日で、平年の年間雨量のおよそ4割に達する雨が降ったところがあります。大気の不安定な状態は15日にかけて続く見込みで、引き続き土砂災害などに厳重な警戒が必要です。

気象庁によりますと、前線や暖かく湿った空気の影響で東北の太平洋側では大気の状態が不安定になっていて、13日夜は岩手県沿岸北部の岩泉町や田野畑村、宮古市で、記録的短時間大雨情報が相次いで出されました。

岩泉町小本では、13日夜7時44分までの1時間に124.5ミリの猛烈な雨を観測したほか、12時間の雨量も14日午前5時10分までに566.5ミリと過去最多を更新し、平年の年間降水量の4割近くがわずか半日で降ったことになります。

これまでの雨で岩手県では土砂災害の危険性が非常に高まり、土砂災害警戒情報が発表されている地域があります。

また、東北地方の太平洋側では14日午前も福島県や岩手県で強い雨が降っています。

気象庁によりますと大気の不安定な状態は、15日にかけて続く見込みで、14日は東北地方の太平洋側で、局地的に雷を伴って1時間に60ミリの非常に激しい雨が降るおそれがあります。

15日朝までの24時間に降る雨の量は、東北の太平洋側の多いところで200ミリと予想されています。

気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、川の増水、氾濫に厳重に警戒するとともに、落雷や突風、ひょうにも十分注意するよう呼びかけています。

岩手 岩泉町 平年の8月1か月に降る雨量の3倍超

岩手県岩泉町では、降り始めからの雨の量が平年の8月1か月に降る量の3倍を超える記録的な大雨となり住宅が水につかる被害が出ています。

岩泉町小本では12日午前0時の降り始めから14日午前10時までの雨の量が635.5ミリと平年の8月1か月に降る量の3倍を超える記録的な大雨となっています。

小本地区の箱石冨士子さん(83)の住宅では、13日夜、玄関が10センチほど浸水しました。

箱石さんは「大雨や台風のときは避難所に避難するようにしているが、今回は、10分ほどで一気に玄関に水が来て、どうしようもなかった。消防団員におぶってもらって避難所に避難したが、一睡もできませんでした」と話していました。

また、同じ地区の工藤浩士さん(63)の住宅では床下が水につかり、物置には土砂が流れ込んでいました。

工藤さんは「お盆の準備でお供え物などを置いていたが水浸しになってしまった。土砂が乾くのを待って片付けをしたい」と話していました。

小本地区では、14日も道路の脇から水があふれ地面から15センチほど水がたまっている場所があり、消防団の団員らがたまった水をホースで水路に流していました。

14日10:00時点 岩泉町 住宅4棟に浸水被害

岩手県によりますと、大雨による被害は14日午前10時までに、岩泉町の小本地区と中島地区で床上まで水につかった住宅が1棟、床下が水につかった住宅があわせて3棟、それぞれ確認されたということです。

一方、けが人の情報は入っていないということです。

13日21:00時点 岩泉町 住宅3棟に浸水被害

猛烈な雨が降った岩手県岩泉町では、住宅に浸水被害が出ています。

岩泉町によりますと、午後9時の時点で床上浸水が1棟、床下浸水が2棟確認されたということです。

今のところ、けが人などの情報は入っていないということです。

13日19:20ごろ 岩泉町 土砂崩れで国道が通行止め

消防によりますと、大雨となっている岩手県岩泉町小本の国道45号線は、土砂崩れが発生して午後7時20分ごろから通行止めになっているということです。

今のところ、巻き込まれた車やけがをした人はいないということです。