台風7号“東海・近畿 総雨量は平年8月1か月分超おそれ”気象庁

台風7号の影響について、気象庁と国土交通省は13日、共同で報道機関の取材に応じ、今回の台風は動きが遅いため、大雨や暴風の影響が長引くおそれがあるほか、台風から離れた地域でも大雨になるおそれがあるという見通しを示しました。

東海・近畿 中心に総雨量 平年の8月1か月分を上回るおそれ

気象庁の立原秀一主任予報官は、13日午後2時から国土交通省とともに共同取材に応じ、台風7号は動きが非常に遅いのが特徴だとしたうえで、台風が接近して上陸するおそれのある紀伊半島の山沿いの地域など、東海と近畿を中心に影響が長引き、総雨量が平年の8月1か月分を上回るおそれがあると説明しました。

そのうえで
▽台風の中心付近よりも周辺に発達した雨雲がみられることや
▽日本の東にある太平洋高気圧のふちを回って湿った空気が流れ込むことから、関東甲信の山沿いの地域など、台風の中心から離れた地域でも総雨量が多くなるおそれがあるとしています。

また、台風が上陸したあとは、日本海側にも発達した雨雲が流れ込む可能性があるとして、警戒を続けるよう呼びかけました。

今回は、台風の接近とお盆の時期が重なっていることから、立原主任予報官は「移動する人が多く、海や山へのレジャーの予定の多い時期でもある。台風に対する危機感を高め、最新の台風情報などに一層注意してほしい」と話しています。

近畿・東海・中国地方 ダム12か所で事前放流“下流は注意を”

台風7号による大雨に備え、近畿と東海、中国地方のダムでは、ためている水を減らして容量を確保する事前放流を行っていて、国土交通省は、下流の川では増水に注意するよう呼びかけています。

国土交通省によりますと、13日午前11時半の時点で愛知県と三重県、奈良県、京都府、和歌山県、鳥取県のあわせて12か所にのぼるということです。

また、雨の状況によっては事前放流を行うダムが増える可能性があるほか、四国では台風6号の影響で上がった水位を今後の雨に備えて下げるため、通常よりも多くの水を放流しているダムがあるということです。

事前放流などに伴いダムの下流の川では雨が降っていなくても水位が上昇するため、国土交通省は増水に注意するよう呼びかけています。

一方、今後、大雨でダムが水をため込むことができなくなった場合、ダムに流れこんでくる大量の水をそのまま下流に流す緊急放流が行われる可能性があるとして、国土交通省は放流の情報に注意するともに、早めの避難を呼びかけています。

《事前放流のダム》

【愛知】雨山ダム
【三重】蓮ダム/七色ダム/小森ダム/滝川ダム/青蓮寺ダム/比奈知ダム
【奈良】池原ダム/室生ダム
【京都】高山ダム
【和歌山】七川ダム
【鳥取】茗荷谷ダム