北朝鮮 台風6号上陸で異例の対応 被害への警戒呼びかけ

北朝鮮では、台風6号が朝鮮半島に上陸した10日から11日にかけて、国営テレビが徹夜で特設のニュースを放送する異例の対応を取るなどして、被害への警戒を呼びかけました。

韓国気象庁によりますと、10日、朝鮮半島に上陸した台風6号は縦断する形で北上し、11日午前、北朝鮮の首都ピョンヤンの南東80キロ付近で熱帯低気圧に変わりました。

台風6号は当初、11日にかけて朝鮮半島を縦断するとみられていて、北朝鮮では、新聞やテレビで被害への警戒を呼びかけていました。

国営の朝鮮中央テレビは10日の夜から11日の朝にかけて特設のニュース枠を設けて断続的に各地の状況や台風の情報を伝えました。

午後11時台に放送されたニュースでは、記者とみられる男性が屋外に立って雨や風の状況をリポートしていました。

朝鮮中央テレビは午後10時台までには放送を終えることがほとんどで、韓国の通信社、連合ニュースは、徹夜での放送は異例だとした上で、北朝鮮で大きな被害はなかったとみられると伝えています。

一方、朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、10日の記事で人命が最優先だとした上で「重要な対象物の安全状態を確認し、徹底した保護対策を立てることに第一の関心を向けなければならない」として台風からキム・イルソン(金日成)主席とキム・ジョンイル(金正日)総書記の肖像画や銅像などを守るよう党の幹部に呼びかけました。