高校野球 連覇目指す仙台育英が聖光学院に勝ち3回戦へ

夏の全国高校野球、大会7日目の第4試合は、連覇を目指す宮城の仙台育英高校が福島の聖光学院に8対2で勝ち、3回戦に進みました。

仙台育英は1回、1アウト一塁三塁のチャンスで4番の齋藤陽選手のファーストへのゴロが相手のフィルダースチョイスとなって1点を先制しました。

同点に追いつかれた直後の2回には、3番・湯浅桜翼選手が2点タイムリーツーベースヒットを打って勝ち越しました。

仙台育英は、3対2とリードした4回途中からマウンドに上がった2人目の湯田統真投手が終盤にかけて聖光学院に得点を与えませんでした。

仙台育英は、7回と8回にも湯浅選手のタイムリーツーベースなどで得点を重ねて突き放し、8対2で勝って、3回戦に進みました。

聖光学院は4回に3番の杉山由朗選手がホームランを打ちましたが、6回や8回のチャンスにあと1本が出ませんでした。

《両チーム 談話》

仙台育英 須江監督「また1つ大きな経験になった」

仙台育英高校の須江航監督は「今回はとても強い相手でした。相手は粘り強さが並みの強さのチームではないので、苦しい試合でした。選手の頑張りは100点です。粘られながらも最後に突き放すことができて、また1つ大きな経験になったと思います」と振り返りました。

4回途中にピッチャーを交代した継投については「主導権を取りながら試合を進めたいと思っていました。継投の遅れだけは絶対に許されないと自分に言い聞かせていました」と話していました。

仙台育英 山田脩也主将「ピッチャーが粘り強く抑えてくれた」

仙台育英のキャプテン、山田脩也選手は「ピッチャーが粘り強く抑えてくれていい試合でした。序盤、中盤は苦しい展開でしたが、終盤に点を取ることができてよかったです」と振り返りました。

そして3回戦に向けて「どのチームが来てもしっかり最善の準備をして、一戦必勝で挑みたい」と意気込んでいました。

仙台育英 湯田統真投手「自分の球を投げきることを意識した」

4回途中からマウンドに上がり好投した仙台育英の湯田統真投手は、12日の試合について「80点くらいの出来です。きょうは自分の球を投げきることを意識しました。ロースコアのゲームだったので、1点もあげないつもりで、一人一人に対処していこうと考えていました」と振り返りました。

そして次の試合に向けて「コンディションを調整して先発でも、どんな役割でも自分のピッチングができるように準備していきたい」と話していました。

聖光学院 小室朱生投手「精神面でも差があった」

先発した聖光学院の小室朱生投手は去年の夏の準決勝で仙台育英に敗れたことを踏まえ「去年の先輩から『頑張れ』とエールを送られ、やってやるという気持ちで1球1球全力で投げました。2回以降は自分のピッチングがしっかりできました。守備に助けられて感謝しかありません。技術面もそうですが、相手は冷静に試合に入れていて、精神面でも差があったかなと思います」と試合を振り返りました。

そして最後に「来年、後輩たちが戻ってきてくれると思うので日本一になってほしいです」と話していました。

聖光学院 杉山由朗選手「相手の自力が勝った」

4回にホームランを打った聖光学院の杉山由朗選手は「序盤は苦しい展開の中、ぎりぎり粘れて、自分たちの野球に持っていけるのではと思っていました。最終的には相手の自力が勝ったのかなと思います」と振り返りました。

ホームランを打った打席について「初球のストレートをファウルにしたあと、次はスライダーを狙うと決めて振りに行ったことがいい結果につながりました」と話しました。

また先発した小室朱生投手について「序盤は野手の間に打球が落ちるなど苦しい展開が続きましたが、小室投手をもり立てる味方のいい守備もあり、3回以降は冷静に自分のピッチングを出してくれました。よかったと思います」とたたえていました。

仙台育英 湯田投手の好投で流れ引き寄せる

仙台育英高校は4回途中からマウンドに上がった2人目の湯田統真投手が好投、試合の流れを徐々に引き寄せて終盤、聖光学院を突き放しました。

仙台育英は湯田投手のほか、エースナンバーを背負う高橋煌稀投手や仁田陽翔投手の3人が最速150キロ以上の速球を投げるなどピッチャー陣の層が厚く、宮城大会では5試合をわずか2失点で抑えました。

しかし1回戦の浦和学院との試合では、先発した湯田投手が4失点、高橋投手が5失点するなど合わせて18本のヒットを打たれ9点を奪われました。

試合後、湯田投手は「このチームは投手陣が持ち味なのにヒットをたくさん打たれてしまった。次はしっかりと押さえられるよう練習したい」と話していました。

12日の聖光学院との試合では先発ピッチャーが4回にホームランを打たれて3対2と1点差に追い上げられ、さらに2アウト三塁とピンチの場面で湯田投手がマウンドに上がりました。

この場面、仙台育英の須江航監督は「主導権を取りながら試合を進めたいと思っていた。継投の遅れだけは絶対に許されないと自分に言い聞かせていた」と振り返りました。

「自分の球を投げきることを意識した」という湯田投手、続くバッターを内野ゴロに打ち取ってピンチを切り抜け、監督の思いに応えました。

湯田投手は「ロースコアのゲームだったので1点もあげないつもりで、一人一人対処していこうと意識した」と丁寧なピッチングを続け、5回から8回まで相手打線を無得点に抑えました。

聖光学院の斎藤智也監督は「縦のスライダーが見た目以上に切れていて得点が取れなかった」と攻略が難しかったことを明かしました。

1点差の緊迫した展開が続く中、湯田投手の好投で徐々に流れを引き寄せた仙台育英は7回、8回に追加点を奪って聖光学院を突き放しました。

試合後、湯田投手は「1回戦は、コンディションを整えて臨めていなかったが、今回は疲労が抜けて、自信をもって投げることができた。ただストレートやスライダーに甘さがあった。次の試合、先発でも、どんな役割でも自分のピッチングができるように準備していきたい」と意気込みを話しました。