終戦の日を前に フィリピン ミンダナオ島で太平洋戦争の慰霊祭

終戦の日を前に、太平洋戦争で激しい地上戦が行われたフィリピン南部のミンダナオ島で慰霊祭が行われました。

フィリピン南部、ミンダナオ島の中心都市、ダバオ郊外にある旧日本人墓地では11日、太平洋戦争で犠牲になった日本人とフィリピン人の慰霊祭が行われました。

ダバオ一帯は戦前、船のロープなどに使われて軍需物資だった麻の生産が盛んで、昭和の最盛期には東南アジア最大となる2万人の日本人が暮らしていました。

しかし、太平洋戦争では日本軍がアメリカ軍との間で激しい地上戦を繰り広げ、現地に暮らしていた民間人も軍とともに山中に逃げ込み、飢えや病気などによって9000人余りが犠牲になったとされています。

戦後78年となる11日の慰霊祭には、いまも現地に暮らし続ける日本人移民の子孫などおよそ150人が参加し、参列者は慰霊碑に花を手向けて犠牲者に祈りをささげました。

父親や弟を戦争で亡くした92歳の日本人の女性は「山中で亡くなって葬式も出せなかった。食べ物もなく、行く先もわからなかった。戦争は二度とおきて欲しくない」と話しました。

また、軍人だった親族をフィリピンの戦場で亡くしたという、日本から参列した塩村文夏参議院議員は「初めて参列したが、この地に多くの日本人がいて、戦争に巻き込まれたことを知らなかった。平和を改めてしっかりと考え直したい」と話していました。