岸田首相 原発処理水放出計画めぐり漁業者と面会の方向で調整

福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出する計画をめぐり、岸田総理大臣は放出への理解を求めたいとして、漁業者の団体の幹部と面会する方向で調整を進めています。

福島第一原発にたまる処理水を、基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画について、政府は岸田総理大臣のアメリカ訪問後、今月下旬に関係閣僚会議を開いて、放出を始める時期を決めたい考えで、具体的な開始時期は今月下旬から来月前半の間で詰めの検討を行っています。

こうした中、政府関係者によりますと、岸田総理大臣は放出を開始するまでに全漁連=全国漁業協同組合連合会と福島県漁連の幹部と面会する方向で調整を進めています。

岸田総理大臣は漁業関係者が放出に反対していることを踏まえ、政府を挙げて安全性の確保に万全を期していくとともに、風評対策にも着実に取り組んでいく方針をみずから直接伝え、理解を求めたい考えです。

一方、放出計画には中国が「汚染水」という表現を使うなど反対の立場を示していて、日本政府は各国が影響を受けないよう、国際社会への情報発信も続けていくことにしています。