ロシア国防省は11日、首都モスクワ市内の施設に対して1機の無人機による攻撃が仕掛けられたものの、ロシア側の妨害電波により墜落させ、阻止したと発表しました。
ウクライナ側による攻撃だと主張していますが、具体的な根拠は示していません。
けが人や建物などへの被害はないとしています。
また、モスクワのソビャーニン市長は、中心部のクレムリンからおよそ10キロ西にある地区に破片が落下したとしています。
これに先だって、ロシアの国営通信社は、モスクワ南西部のブヌコボ空港で一時、航空機の発着が制限され、無人機の飛来の影響とみられると伝えていました。
【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(11日の動き)
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる11日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
モスクワに再び無人機攻撃か
ウクライナ南部 国連の関係者など使用するホテル 攻撃受ける
ウクライナ東部ハルキウ州の知事は、10日にロシア軍による大規模な砲撃があり、住宅などが被害を受けて1人が死亡し、複数のけが人が出ていると明らかにしました。
また、南部ザポリージャ州の知事は、10日にロシア軍によるミサイル攻撃で民間施設が被害を受けて1人が死亡し、4人の子どもを含む16人がけがをしたと発表しました。
国連は10日に声明で、この施設は国連の関係者や人道支援を続けるNGOの関係者が頻繁に使うホテルだとして、「全く受け入れられない」と非難しました。
一方、ウクライナ国防省のマリャル次官は10日、「東部の状況は厳しい」とした上で、ハルキウ州のクピヤンシクやドネツク州のリマンの方面ではロシア軍の攻撃を抑えていると強調しました。
また、▼ドネツク州のバフムト方面の南側では反転攻勢を継続し、▼ザポリージャ州のメリトポリやアゾフ海に面したベルジャンシクへ向かう方面では、極めて困難な状況であるものの、部分的な成功をおさめているとしています。
アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も10日、ウクライナ軍は少なくとも3つの地域で反転攻勢を続けていると指摘し、双方の激しい攻防が続いているとみられます。
ウクライナ海軍 黒海の港に民間船舶の臨時航路設けたと発表
ウクライナ海軍は10日、民間の船舶が黒海に面した南部の港に出入りする臨時航路を新たに設けたと声明で発表しました。
「オデーサなど3つの港にとどまる民間の船舶の出港のために利用される」としていて、ロイター通信は「船にカメラを設置して映像を公開するなど透明性を高め、あくまで人道目的であることを示す」という海軍報道官の話を伝えています。
黒海をめぐってはロシアが7月、ウクライナ産農産物の輸出をめぐる合意の履行を停止したうえ、ロシア国防省が黒海でウクライナに向かう船舶は軍事物資を輸送している可能性があるとみなすなどと警告しています。
ウクライナ海軍は声明で、「農産物を積んだ船が最後にオデーサを出たのは7月16日だ」として、その後のロシアによる港湾インフラなどへの攻撃を非難する一方、「ロシアからの軍事的な脅威や機雷の危険は残っている」としていて、今後、ロシアがどのような対応を示すかが焦点です。
ロシア国防省 ハルキウ州クピヤンシクで部隊前進と主張
ロシア国防省は10日、ウクライナ東部ハルキウ州のクピヤンシクで部隊が前進していると主張しました。
クピヤンシクは去年9月にウクライナが奪還しましたが、このところロシア軍が激しい攻撃を繰り返しているとみられ、州知事はSNSで、被害の拡大に懸念を示し、600人の子どもを含む周辺住民1万1000人以上を避難させる方針を明らかにしました。