高校野球 神村学園が立命館宇治に勝ち2回戦へ

夏の全国高校野球、大会4日目の第4試合は鹿児島の神村学園が京都の立命館宇治高校に10対2で勝って2回戦に進みました。

神村学園は1回、4番・正林輝大選手のタイムリーツーベースで先制すると、2回には、長打と内野安打でランナーを三塁に進めスクイズで追加点を挙げました。

その後も試合を優位に進め、4対0とリードした6回にはキャプテンで1番の今岡歩夢選手がツーランホームランを打ったほか、8回に3点、9回にも1点を加えヒット18本で10点を奪いました。

投げてはエースの松永優斗投手が9回途中まで投げて2失点と好投し、4年ぶり出場の神村学園が10対2で立命館宇治に勝って2回戦に進みました。

立命館宇治は6回に3番・北川陸翔選手のタイムリーツーベース、そして9回には、代打の市村祐樹選手のタイムリースリーベースで1点ずつを返しましたが、大量失点が響き、こちらも4年ぶりの出場で勝利はなりませんでした。

神村学園 小田監督「正直できすぎだと思う」

神村学園の小田大介監督は「とてもうれしいです。正直、できすぎだと思います。ただ、まだまだ守備やバントでもったいないミスがあったのでそこを修正したいです」と話しました。

そのうえで次の試合に向けては「甲子園は何点差あっても油断できない勝負になると思うので、手堅く行きつつも、選手を信じて攻撃的に思い切ってやっていきたい」と意気込みを語っていました。

神村学園 キャプテンの今岡「自分だけの力ではない」

3安打4打点の活躍を見せた神村学園のキャプテン、今岡歩夢選手は、ツーランホームランを打った6回の打席について「ピッチャーが頑張っていた中、1点でも多く取って楽に投げさせてあげたいと思ってスイングしました。自分だけの力ではなくたくさんの人が後押ししてくれたホームランだったと思います」と振り返りました。

また、台風の影響で鹿児島から応援に来ることができなかった人たちに対して「まずきょう1勝して、次の試合はみんなの前で神村学園らしい野球をしようとチームで心を1つにして球場に来ました。次は応援に来てもらえるということで、自分たちらしく勇気や感動を与えられる試合をしたいです」と話していました。

立命館宇治 キャプテンの塚本「焦りが出てしまった」

敗れた立命館宇治高校のキャプテン、塚本遵平選手は「序盤に1点でも取れていたらよかったのですがダブルプレーでチャンスをつぶしてしまい、焦りが出てしまいました」と悔しさをにじませました。

そのうえで「悔しい気持ちはありますが、チームメート全員で甲子園でプレーできたので、悔いはないです」と話していました。

立命館宇治 北川「悔しい気持ちが強い」

敗れた立命館宇治高校の北川陸翔選手は「甲子園で2勝してチームの歴史を塗り替えるのが目標でしたが、大差で負けてしまって悔しい気持ちが強いです」と振り返りました。

それでも、6回のタイムリーツーベースヒットについては「前のバッターがチャンスを作ってくれたので、どうにかして1点を取って、打線がつながるきっかけにしたいと思っていました。いい当たりではありませんでしたが、結果が出てよかったです」と話していました。

『熱くて頼れる』キャプテン 甲子園での応援のチャンスつなぐ

台風の影響で鹿児島から来られなかった人たちに勇気や感動を与えられる試合を。

『熱くて頼れる』キャプテンがチームを引っ張り、甲子園での応援のチャンスをつなげました。

神村学園のキャプテン、今岡歩夢選手は監督や選手から『チームで一番熱くて頼れる男』と一目置かれる存在です。

「今岡選手の勝利に対する執念がチームには必要だ」と、ことしの春の県大会で敗退してからキャプテンとして引っ張ってきました。

高校に入って投手から野手に専念した今岡選手。この夏の鹿児島大会では1番バッターとして打率はチームトップの5割ちょうど、打点も7とリードオフマンとして活躍し、4年ぶりの甲子園出場に導きました。

地元の人たちも楽しみにしていた久しぶりの甲子園。しかし、台風6号の影響で、およそ300人の生徒が来られなくなるなど、応援団は当初予定の半分以下に。

キャプテンの今岡選手を中心にチームは「たくさんの方々の応援があって甲子園に来ることができた。今度は自分たちが返す番。何が何でも勝つ」という思いで初戦に臨みました。

「1番バッターとしてチームに勢いをつけたい」と意気込んだ今岡選手でしたが、最初の2打席は凡退。

一方、ともに出場していた弟の拓夢選手がツーベースヒットで出塁し、その後、ホームを踏みました。

弟の活躍に奮起され、持ち前の『熱さ』に火が付いた今岡選手。4回にはタイムリースリーベース、6回にはバックスクリーンに飛び込むツーランホームランを打って、3安打4打点の大活躍で勝利に貢献しました。

さらに、ファーストの守備でも再三の好プレーでチームを救いました。

試合後「次は鹿児島から応援に来てもらえるということで、自分たちらしく勇気や感動を与えられる試合をしたいです」と話した今岡選手。

今度こそ地元からの大観衆の前で。頼れるキャプテンは熱いプレーで応える決意です。