“救助隊が集まったところに2発目のミサイル攻撃” 9人が死亡

ウクライナ東部ドネツク州でロシア軍のミサイル2発が集合住宅に相次いで撃ち込まれ9人が死亡した攻撃について、ウクライナ政府は、1発目のミサイル攻撃のあと救助隊などが集まっていたところに2発目が撃ち込まれたことで被害が拡大したとして、ロシアを厳しく批判しました。

ウクライナ東部ドネツク州のポクロウシクでは7日、5階建ての集合住宅などにロシアのミサイル2発が相次いで撃ち込まれ、ウクライナ側によりますと9人が死亡、82人がけがをしました。

この攻撃についてウクライナ非常事態庁が8日、首都キーウで記者会見し、1発目のミサイル攻撃で救助隊などが集まっていたところに2発目のミサイルが撃ち込まれたと明らかにしました。

この結果、被害が拡大し死者の中には救助隊員1人が含まれているほか、けが人の中にも救助隊や警察官などが含まれているということです。

非常事態庁の報道官は、救助隊は攻撃があれば直ちに現場に駆けつける以外に選択肢はないと強調したうえで「テロリストのやり方だと言わざるを得ない」と述べて、ロシアを厳しく批判しました。

一方、ロシア国防省の報道官は8日、ポクロウシクにあるウクライナ軍の司令部を攻撃したと発表し、標的は軍の施設だったと主張した形です。

こうした中、ロシアのプーチン大統領は7日、国営の軍事企業のトップに対して軍事侵攻で使用しているロシア製の無人機の増産を命じ、ウクライナへの軍事侵攻が長期化する中、無人機による攻撃を増やすねらいもうかがえます。

ゼレンスキー大統領「テロリストには処罰が」

ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、新たに動画を公開し、東部ドネツク州でのミサイル攻撃について、2発目は救助活動が始まったときに撃ち込まれたとした上で「最大の苦痛と損害を与えるための意図的なものだ」と指摘しました。

そして「ロシアはこの件に関して最大限の責任を負うことになるだろう。テロリストには処罰が下されなければならない」として、ロシア側を強く非難しました。