ソフトバンクグループ 3か月決算 3四半期連続の赤字

ソフトバンクグループは、ことし4月から6月までの決算を発表し、最終的な損益がおよそ4700億円の赤字となりました。傘下の投資ファンド事業は黒字化したものの、円安の影響を大きく受け、全体では赤字が続いています。

ソフトバンクグループのことし4月から6月まで3か月間の決算によりますと、傘下の投資ファンド事業「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」では610億円の黒字となり、投資先のスタートアップ企業の価値が上がったことを受けて、6四半期ぶりに黒字に転換しました。

しかし、円安の影響で保有するドル建ての負債が円で見た場合に膨らみ、4646億円の為替による損失が出ました。

この結果、最終的な損益は4776億円の赤字となりました。

去年の同じ時期のおよそ3兆円の赤字から縮小したものの、3四半期連続の赤字となっています。

一方、傘下のイギリスの半導体開発会社で、年内の上場を目指している「Arm」は需要の落ち込みなどを背景に減収減益となっています。

ソフトバンクグループの投資ファンド事業をめぐっては、ことし6月の株主総会で孫正義社長が投資事業の再開を打ち出しています。

AI=人工知能など成長が期待される分野に絞り込む形で投資を進める方針で、グループ全体の収益にどこまで貢献できるかが課題となります。

後藤CFO「反転攻勢するが慎重に投資」

今後の投資方針について、ソフトバンクグループの後藤芳光CFOは決算発表の会見で「この4月から6月は、日本円で2000億円強の投資を実行したが、このAI化の流れの中で、企業を厳選のうえ、投資の意思決定をしている。孫社長は反転攻勢という強い言葉で言っていたが、反転攻勢はするけれど慎重に投資を行っていく」と述べました。