処理水の放出開始へ 丁寧な説明継続で理解求める 政府

福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出を始める時期について政府は今月下旬から来月前半の間で詰めの検討を行う見通しです。岸田総理大臣は漁業関係者との信頼関係が少しずつ深まっているという認識を示していて、引き続き丁寧に説明し理解を求めていく考えです。

福島第一原発にたまる処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画について政府は、岸田総理大臣のアメリカ訪問後、今月下旬に関係閣僚会議を開いて放出を始める時期を決める方向で調整しています。

そして、具体的な開始時期は今月下旬から来月前半の間で詰めの検討を行う見通しです。

岸田総理大臣は7日、国内の漁業関係者が反対していることに関連し「地元との対話を重ねており、信頼関係は少しずつ深まっていると認識している」と述べました。

政府としては放出計画の安全性を確保するとともに、風評対策を徹底することを丁寧に説明し理解を求めていく考えです。

一方、処理水の放出計画をめぐっては中国が「汚染水」という表現を使うなど反対の立場を示しています。

日本政府としては、放出計画がIAEA=国際原子力機関の報告書でも「国際的な安全基準に合致している」と結論づけられたことを国際社会に発信するとともに、中国に対しても科学的根拠に基づいて議論するよう重ねて求めていく方針です。