【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(8日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる8日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領の情報をロシアに提供しようとしたか

ウクライナ保安局は7日、声明を発表し、ゼレンスキー大統領の訪問先での動向に関する情報をロシアに提供しようとしたとしてウクライナ人の女の容疑者を拘束したことを明らかにしました。

発表によりますと、容疑者はゼレンスキー大統領が先月、南部ミコライウ州を訪れた際、事前に訪問する場所や時間などについて調べていた疑いが持たれています。

容疑者はロシアの情報当局者に集めた情報を提供しようとした際にその場で拘束されたということで、保安局はロシアが容疑者が集めた情報をもとにミコライウ州への攻撃を計画しようとしていたとしています。

イギリス ロシアの兵器部品調達に関与した企業などに制裁

イギリス外務省は、ロシアによる兵器の部品の調達に関わったとして、ロシア国内外の合わせて25の企業や個人に資産凍結などの制裁を科すと発表しました。

このうちロシア国外ではこれまでで最も多い22の企業や個人が対象となり、ロシアに電子機器を輸出していたトルコの2つの企業、ドローンやその部品を供給していたアラブ首長国連邦の企業、ロシアと北朝鮮の間の兵器の取り引きに関与したスロバキア国籍の人物、それにスイスの資産運用会社のモスクワ支社長を務めるスイス国籍の人物などが含まれています。

また、ロシアの同盟国ベラルーシで軍事技術の開発に関わっている団体と、ロシアへの無人機などの供与が指摘されているイランにある企業や個人も制裁の対象となりました。

イギリス外務省は、ロシアは旧ソビエト製の戦車を運用したり性能の低い半導体を家電から回収したりしなければならないほど追い込まれていると指摘し、クレバリー外相は「今回の制裁はロシアの兵器の蓄えをさらに減らし、軍事産業の供給網を狭めるものだ」としています。

ロシア製 自爆型無人機の増産を指示 プーチン大統領

ロシア大統領府は7日、プーチン大統領が国営軍事企業「ロステク」のチェメゾフCEOと会談したと発表しました。

この中でプーチン大統領は、軍事侵攻で使用しているロシア製の自爆型無人機「ランセット」などについて「とても効果的だ。強力な打撃力で、外国製を含めたいかなる装備も単に燃やすだけでなく爆発させることができる」と強調しました。

その上で「生産をさらに増やすことが必要だ」と述べ増産を指示しました。

ウクライナに対して戦車の供与などの軍事支援を続ける欧米各国をけん制した形です。

“ロシアのミサイル攻撃 80人以上けが” ウクライナ内務省

ウクライナ内務省は、東部ドネツク州のポクロウシクで7日、ロシアのミサイル攻撃があり、5階建ての集合住宅などおよそ20棟が被害を受けたと発表しました。

この攻撃で7人が死亡したほか、子どもを含む80人以上がけがをしたということです。

ウクライナ軍事支援 「主力戦車 輸送準備整う」アメリカ陸軍高官

アメリカ陸軍の高官は7日、記者団に対し、ウクライナへの軍事支援として、供与が決まっている主力戦車「エイブラムス」について、「輸送の準備が整った」軍事支援と明らかにしました。

その上で、砲弾や予備の部品などとあわせて、ことし秋までに、ウクライナに供与できる見通しだと強調しました。

アメリカのバイデン政権はことし1月、ウクライナに対し、31両の「エイブラムス」を供与すると発表していました。

“ロシアのミサイル攻撃受け 8人死亡”ドネツク州キリレンコ知事

ウクライナの東部ドネツク州のキリレンコ知事は7日、SNSにポクロウシクで集合住宅などがロシアのミサイル攻撃を受けて、これまでに8人が死亡したと明らかにしました。

多くのけが人も出ているとみられます。

“ドネツク州の住宅に攻撃 5人死亡31人けが” ウクライナ内相

ウクライナのクリメンコ内相は7日、SNSで東部ドネツク州のポクロウシクの住宅がロシアのミサイル2発による攻撃を受け、5人が死亡31人がけがをしたことを明らかにしました。

ゼレンスキー大統領が投稿した現場の映像では攻撃を受けた集合住宅の上層階が激しく壊れて辺りにはがれきが散乱し、救助活動が行われている様子が写っています。

ゼレンスキー大統領は攻撃されたのが普通の住宅だったとしたうえで、「我々はロシアのテロを止めなければならない」と述べて、ロシアによる攻撃を批判しました。

“ロシア 年間国防予算 当初の約2倍に” 軍事侵攻長期化影響か

ロイター通信は、ロシアのことしの国防予算が、当初のおよそ2倍にあたる9兆7000億ルーブル、日本円にして14兆2000億円余りに膨らんでいると今月4日に伝えました。

これは国家予算全体の3分の1を占める規模だとしています。

その結果、学校や病院、道路などに使われる予算が削減されているとも伝えています。

ロシアはウクライナへの軍事侵攻が長期化していることで軍事費が増大しているとみられています。

また、G7=主要7か国などがロシア産原油に上限価格を設ける制裁を発動したことでロシアは石油輸出によって得られる収入が減少しているとアメリカ財務省は分析しています。

プーチン大統領 企業への追加課税を行うための法律に署名

プーチン大統領は、企業への追加課税を行うための法律に4日付けで署名し、成立させました。

この法律ではエネルギー関連などを除いた企業を対象に、利益に10%を課税する内容となっています。

支払いの期限は来年1月28日ですがことし11月末までに納めれば税率を5%にするとしていて、ロシアの有力紙「コメルサント」は「政府は税金をなるべく早く受け取りたがっている」と伝えています。

中ロ外相 電話で会談 両国の結束を改めて確認

中国の前の外相だった秦剛氏が解任されたあと再び外相に任命された王毅外相は、ロシアのラブロフ外相と7日、電話で会談しました。

中国外務省によりますと、この中で王外相は「中国とロシアの貿易額は過去最高を更新し、エネルギー協力は着実に発展している」と述べ、ロシアとのあいだで石油や天然ガスなどエネルギーの取り引きを続けていく考えを強調しました。

その上で、ロシアが軍事侵攻を続けるウクライナ情勢について「中国はいかなる国際的な多国間の場でも独立かつ公正な立場を守る」と述べたということです。

これに対し、ラブロフ外相はロシア軍の部隊の撤退を求めずにロシアやウクライナなどに対話と停戦を呼びかけた中国の文書を支持し、中国の建設的な役割を歓迎すると応じたとしています。

一方、ロシア外務省によりますと、両外相は両国関係の発展を高く評価した上で「ロシアと中国に制裁を科し、発展を抑え込もうとする欧米諸国の試みをともに拒絶する」として両国が結束していくことを改めて確認したということです。

“ロシア揚陸艦 攻撃受けたのは事前の警告に違反の結果”

ロシアがウクライナから一方的に併合したクリミアに近いロシア南部ノボロシースクの海軍基地では、今月4日、ロシアの揚陸艦がウクライナ側の無人艇の攻撃を受けて損傷したと伝えられました。

この攻撃についてウクライナ海軍のプレテンチュク報道官は7日、オンラインで記者会見を行いました。

このなかで揚陸艦が攻撃を受けたのは、ウクライナ国防省が7月に発表した、黒海で、ロシアの港やロシアに一時的に占領されているウクライナの港に向かうすべての船舶は、軍事物資を輸送している可能性があるとみなすとした警告に違反した結果だと指摘しました。

ウクライナ海軍の関与は否定しました。

また、黒海とアゾフ海をつなぐケルチ海峡の状況についてロシアの国境警備隊の船舶の動きが活発化しているとしてロシアが警戒を強めているとの見方を示しました。

“ロシア側からの砲撃数が大幅に増加”

ウクライナ国防省のマリャル次官は7日、ウクライナ東部でのこの1週間の戦況について「極めて困難だった。敵は我々の前進を阻止するためにあらゆる手段を講じている」とSNSに投稿し、ロシア側からの砲撃数が大幅に増加したことを明らかにしました。