神社に奉納する日本刀に刃文いれる「焼き入れ」の神事 岡山

岡山県瀬戸内市の神社で、長さおよそ80センチの日本刀に刃文をいれる「焼き入れ」の工程が公開されました。

地元の人たちの依頼を受けて神社に奉納する日本刀を作っているのは、瀬戸内市長船町の刀匠、川島一城さんです。

川島さんは去年11月、町内の「靱負神社」の境内で、材料の玉鋼を打ち延ばし、その後、鍛錬した鋼でおよそ80センチの刀身を作りました。

日本刀独特の美しい刃文を浮かび上がらせる「焼き入れ」の神事を前に、川島さんは、工房で炭や砥石(といし)の粉を混ぜた特殊な粘土を置いていきます。

準備が整うと、神社の拝殿前で神事が始まり、用意された「火床」と呼ばれる小型の炉に刀を入れて熱していきました。

川島さんは、真っ赤になった刀身の色を見ながら、およそ760度まで温度を上げ、その後、水に浸して一気に冷やしました。

すると、刀には自然に反りがつき華やかな刃文も表れ、見守っていた人たちから拍手が沸き起こりました。

川島さんは「大勢の人にパワーを頂けたことが何よりもうれしいです」と話していました。

刀は研がれたあと、ことし12月、神社に奉納されるということです。