ローマ教皇 移民問題の解決訴え 地中海で“移民船”事故相次ぎ

地中海では移民を乗せて北アフリカからヨーロッパへ向かった船の事故が相次ぎ、あわせて6人が死亡し、80人以上の行方が分かっていません。
こうした中、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は「北アフリカは最大の墓場だ」などと述べ、移民問題の解決を訴えました。

ロイター通信などによりますと、北アフリカのチュニジアから移民を乗せて出発した船がイタリアの沖合で難破し、イタリアの沿岸警備隊は6日、これまでに少なくとも2人の死亡が確認され、30人以上の行方が分かっていないと発表しています。

また同じ日にチュニジアの司法当局も、移民を乗せた別の船が沈没し、少なくとも4人が死亡し、51人が行方不明になっていると明らかにしています。

こうした中、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は6日の記者会見で、移民のなかには船に乗る前に砂漠で置き去りになっている人もいると触れたうえで「北アフリカは最大の墓場となっていて悲惨な状況だ」と述べ、移民の状況に懸念を示しました。

そのうえで、9月下旬にフランスで開かれる地中海を取り巻く国々の教会関係者の会議にみずから出席し、移民問題の解決を訴える考えを示しました。

北アフリカからの移民らを乗せた船をめぐっては、ことし6月にもリビアを出発した漁船がギリシャの沖合で転覆して79人が死亡するなど、事故が相次いでいます。