東京都の最低賃金 時給1113円に 10月から適用の見通し

現在、時給1072円となっている東京都の最低賃金について、東京労働局の審議会は国の審議会が示した目安のとおり、41円引き上げて、時給1113円とする答申をしました。新しい最低賃金はことし10月から適用される見通しです。

厚生労働省の審議会は7月に、今年度の最低賃金について、全国平均で時給41円引き上げるという目安を示し、現在、都道府県では労使などが参加する審議会で、実際の引き上げ額について議論が進められています。

このうち、東京都の最低賃金について議論する東京労働局の審議会は7日、目安のとおり41円引き上げ、時給1113円とする案をまとめ、採決の結果、賛成多数でこの案が答申されました。

41円の引き上げは、東京都で過去最大で、
▽物価の高騰による生活への影響や、
▽ことしの春闘を受けた賃金の引き上げ水準が、東京は全国的に見ても高いことなどが、重視されたということです。

一方で、企業側の委員からは「企業の支払い能力が十分に考慮された結果ではない。物価高騰が続く中、人件費の上昇は中小零細企業の経営を直撃し、先行きに不安感がある」などという意見が出され、採決では4人が反対しました。

東京労働局は、8月22日までに異議申し出を受け付け、新しい最低賃金の1113円は、ことし10月から適用される見通しです。

東京地方最低賃金審議会の都留康会長は「最低賃金の水準で、働く人たちの生活を考慮する必要があった。負担が増える企業への支援を労働局に要望したい」と話していました。