台風6号 気象庁と国土交通省が会見「動き遅く雨量かなり多い」

台風6号の影響について気象庁と国土交通省は7日、合同で記者会見を開き、台風の動きが遅いため雨量がかなり多くなり、今月10日の木曜日にかけて、九州南部の多いところで700ミリ前後の記録的な大雨になるという見通しを示したうえで、土砂災害などに厳重に警戒するよう呼びかけています。

気象庁と国土交通省は、台風の接近に伴い、広い範囲で雨量がかなり多くなり、災害の危険度が高まるおそれがあるとして、7日午後、合同で会見を開きました。

この中で気象庁の立原秀一主任予報官は、今回の台風6号の特徴について、上空の風が弱く動きが非常に遅いとしたうえで、今月10日の木曜日までの総雨量が九州南部の多いところで700ミリ前後に達するおそれがあるとする見通しを示しました。

九州南部では、8月1か月分の平均的な雨量が200ミリから300ミリほどで、今回はそれを大きく上回る記録的な大雨になるおそれがあり、土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水への厳重な警戒が必要だとしています。

また、台風は中心付近に比べて周辺に発達した雨雲を伴っていることから、台風から離れた西日本から東日本の太平洋側でも、雨量がかなり多くなる見込みだということです。

さらに、台風は今後暴風域を維持したままゆっくりと北上するため、九州を中心に暴風による影響が長引くおそれがあるとしています。

立原主任予報官は「台風の動きが非常に遅いため、広い範囲で長い時間雨が降ることを踏まえると、特別警報についても危機感を持っている。ただ、発表を待つことなく台風に対する警戒感を強め、早め早めの行動を心がけてほしい」と話しています。

国交省 ダム事前放流 下流の川では増水に注意

台風による大雨に備え、九州や四国のダムではためている水を減らして容量を確保する事前放流を行っていて、国土交通省は、下流の川では増水に注意するよう呼びかけています。

気象庁によりますと、台風6号の接近に伴い、今月10日にかけて九州から東海の太平洋側を中心に雷を伴った非常に激しい雨が降り、大雨となる見込みです。

これを受けて、各地のダムはためている水を減らして容量を確保する事前放流を行っていて、国土交通省によりますと、7日正午の時点で宮崎県や熊本県、鹿児島県、沖縄県、愛媛県、それに高知県で合わせて39か所にのぼるということです。

また、雨の状況によっては事前放流を行うダムも増える可能性があるということです。

事前放流に伴いダムの下流の川では雨が降っていなくても水位が上昇するため、国土交通省は増水に注意するよう呼びかけています。

一方、今後大雨でダムが水をため込むことができなくなった場合、ダムに流れこんでくる大量の水を、そのまま下流に流す緊急放流が行われる可能性があるとして、国土交通省は放流の情報に注意するともに、早めの避難を呼びかけています。