EV 原材料などの生産過程でのCO2削減へ 日本企業で新技術登場

EV=電気自動車をめぐっては、原材料などの生産過程での環境負荷が新たな課題となっています。こうした中、日本企業の間で二酸化炭素の削減につなげる新たな技術が相次ぎ登場しています。

▽大手商社の三井物産が大阪大学発のベンチャー企業と共同開発しているのは、電子レンジで使われるマイクロ波の仕組みをリチウムイオン電池の材料の生産に活用する技術です。

リチウムの生産過程では、鉱石を炉の中で燃やす際に発生する二酸化炭素が大きな課題で、新たな技術では、鉱石に直接マイクロ波を当てることで効率的に熱を加えます。

その際に使う電気も再生可能エネルギーから作ることで、二酸化炭素をおよそ9割削減できるとしています。

会社は、リチウム鉱山の権益の獲得も見据えて、一連の生産過程でのシステム作りを目指しています。

三井物産の森恭隆 電池原料室長は、「リチウムの精錬は中国に集中しており、環境負荷の低いプロセスを中国以外に広げていきたい」と述べました。

▽金属メーカー大手のプロテリアルは、リチウムイオン電池の部材の新たな製造技術を開発しました。

原料のニッケルを使って「正極材」と呼ばれる部材にする際に、複数の工程を省く方法で二酸化炭素を20%以上削減できるということです。

EVの生産過程での環境負荷に対しては、EUを中心に規制の動きも始まっていて、こうした開発の動きはさらに広がりそうです。