高校野球 夏の甲子園 暑さ対策で「クーリングタイム」初実施

夏の全国高校野球、開会式直後の第1試合、茨城の土浦日大高校と長野の上田西高校の試合でことしの大会から暑さ対策として導入された、選手たちが試合中に10分間の休息をとる「クーリングタイム」が初めて実施されました。

「クーリングタイム」は、厳しい暑さの中で行われる夏の全国高校野球で新たな暑さ対策として、ことしの大会から導入されました。

選手たちは5回終了後に10分間、ベンチ裏に移動し、クーラーや送風機が置かれた涼しいスペースで休息をとります。

このスペースには、保冷剤を入れた「アイスベスト」や首の周りを冷やす「ネッククーラー」が用意されていて、体を冷やしたり水分を補給したりします。

また、1日およそ15人の理学療法士が対応に当たり、サーモグラフィーなどを使って熱中症の症状がある選手がいないか確認するということです。

「クーリングタイム」の時間は選手たちはグラウンドに出ることができず、球場の電光掲示板では残りの時間が表示されました。

そして、「クーリングタイム」が終わると選手たちは審判の掛け声とともに守りについて試合が再開されました。

「クーリングタイム」は原則すべての試合に適用されますが、悪天候で試合時間を短くする必要がある場合などは大会本部の判断でとりやめることもあるということです。

理学療法士の小柳磨毅さんは「選手たちには10分間でしっかり体を冷やしてベストパフォーマンスを発揮してもらいたい」と話しています。

足をつって交代 相次ぐ

厳しい暑さの中で開幕した夏の全国高校野球の開会式直後の第1試合では、茨城の土浦日大高校と長野の上田西高校の選手たちが足をつって交代するケースが相次ぎました。

6回には上田西の黒岩大都選手がサードゴロに倒れた際、足を引きずるようなしぐさを見せ、その場で冷却スプレーをかけてもらいましたが、直後の守りから交代しました。土浦日大のセンター、香取蒼太選手も6回の守りが終わってベンチに戻る際に足がつり担架で運ばれ、そのまま交代しました。さらに延長10回には上田西のレフトの中村太軌選手が打球を捕ってホームに送球したあと、足がつってそのまま交代しました。

厳しい暑さの中で開幕したことしの大会では
▼「クーリングタイム」が導入されたほか、
▼ベンチに入る選手の数が2人増えて20人とする新たな暑さ対策が取られていました。

大会本部によりますと、選手たちの症状はいずれも軽く、試合中はベンチで様子を見ていたということです。