高校野球 夏の甲子園開幕 選手全員が行進 先導係に男子生徒も

夏の全国高校野球が甲子園球場で開幕し、開会式では4年ぶりに49の代表校の選手全員が入場行進しました。

開会式は、去年は、開幕直前に代表校の選手に新型コロナの感染が相次ぎ、キャプテンのみが参加する形式に変更されましたが、ことしは夏の大会では4年ぶりに49の代表校の選手全員が入場行進しました。

選手たちの先導係に男子生徒も

選手たちは去年、東北勢として初優勝し連覇を目指す宮城の仙台育英高校を先頭に、北から南の順に力強く行進し、学校の応援団も含め、観客の入場制限がないスタンドからは大きな拍手が送られました。

また、プラカードなどを持って選手たちを先導する係は、これまで地元、兵庫の市立西宮高校の女子生徒に限られていましたが、ことしから性別を問わないことになり、男子生徒も歴代優勝校の旗を持って行進しました。

そして、高知中央高校のキャプテン、西岡悠慎選手が「ここにたどり着くまでたくさんの壁や困難がありました。それを乗り越えられたのはともに絆を深め合った仲間、たくさんの方々の支えがあったからです。追いかけ続ける勇気さえあれば夢は必ずかなう。全国の高校球児の思いを一投一打に込めて戦い抜くことを誓います」と選手宣誓をしました。

大会は、3日の休養日を含めて17日間の日程で行われ、順調に進めば今月22日に決勝が行われます。

【選手宣誓 全文】

高知中央高校のキャプテン西岡悠慎選手が務めた選手宣誓の全文です。

「宣誓、私たちは第105回という節目の年に、夢の甲子園球場に立てていることを誇りに思います。

しかし、ここにたどり着くまでたくさんの壁や困難がありました。

それを乗り越えられたのは、ともに絆を深めあった仲間、監督、コーチ、そしてたくさんの方々の支えがあったからです。

追いかけ続ける勇気さえあれば夢は必ずかなう。

そう信じ、全国高校球児の思いを一投一打に込め、全力で戦い抜くことを誓います」

仙台育英 山田主将「チーム一丸となって頑張ります」

連覇をねらう仙台育英高校のキャプテンの山田脩也選手は「東北のみんなで取った優勝だったので、感謝の思いを込めて返還しました。もう1度、優勝旗を宮城に持って帰れるよう、チーム一丸となって頑張ります」と意気込みを話しました。

開会式先導役の光永選手「光栄で本当にありがたかった」

開会式では、日本大学豊山高校の3年生で野球部員の光永翔音選手が入場行進の先導役を務めました。

光永選手はことし、野球部では4番打者としてチームの東東京大会のベスト8進出に貢献し、競泳でも、全国高校総体への出場を決めています。

開会式を終えた光永選手は「本当はチームのみんなで勝ち上がって、甲子園でプレーしたかったが、先導役に選んでいただき、甲子園という舞台で歩けたことは光栄で本当にありがたかった。始まる前は緊張していたが、あっという間だった」と振り返りました。

今後は競泳に絞って競技を続けていくということで「高校野球は本当にすばらしいもので、この経験をしていればこの先どんな困難に直面しても大丈夫だと思う。競泳1本に絞ったからには常にトップを目指して頑張っていきたい」と話していました。

栗山英樹さんが始球式「WBCの100倍ぐらい緊張した」

開会式直後に行われた茨城の土浦日大高校と長野の上田西高校の第1試合の前には、ことしのWBC=ワールド・ベースボール・クラシックで日本代表の監督として優勝に導いた栗山英樹さんが始球式を務めました。

白いポロシャツ姿の栗山さんは、スタンドから大きな拍手を受けてマウンドに上がりました。そして、ノーバウンドでの投球を見せるとスタンドからは再び大きな拍手が送られていました。

始球式のあと、栗山さんは「次の世代に野球をつないでいかないといけないという思いで投げたので、WBCの100倍ぐらい緊張しました。甲子園の文化は日本野球の根幹だと思うので、100年、200年とこれからも長く続くことを祈っていますし、球児たちには思い切って楽しんでプレーしてほしい」と話していました。