架線衝突 JR東海道線と湘南新宿ライン運転再開 約15万人に影響

5日夜、神奈川県鎌倉市のJR東海道線で、走行中の列車が架線に衝突する事故があり、この影響で東海道線と湘南新宿ラインでは6日も始発から運転見合わせが続いていましたが、東海道線は午前8時に運転を再開し、湘南新宿ラインは午後3時ごろ運転を再開しました。

警察によりますと5日午後9時半ごろ鎌倉市にあるJR東海道線の大船駅から南西におよそ600メートルの線路内で、花火大会の臨時列車が何らかの原因で垂れ下がっていた架線に衝突しました。この事故で、運転士と乗客1人が軽いけがをしました。

JRによりますと、この事故による運転見合わせでほかの路線でも列車が止まり、多くの乗客が中に閉じ込められ、熱中症の症状を訴えた人もいたということです。

事故の影響は続き、東海道線の東京駅と静岡県の熱海駅の間の上下線と湘南新宿ラインの新宿駅より南の区間の上下線は6日も始発から運転を見合わせていました。

このうち東海道線は修復作業が終わり安全が確認できたとして、午前8時に運転を再開しました。湘南新宿ラインは、午後1時ごろ、宇都宮線に直通する上下線で、運転を再開し、高崎線に直通する上下線を含め、午後3時ごろ、全線で運転を再開しました。

一方、昨夜は運転を見合わせていた京浜東北線と横須賀線は、始発から運転しています。

5日午後9時半前、JR東海道線で列車が架線と衝突した事故の影響で続いていた運転見合わせは、17時間半たってすべての路線で解消されました。JRによりますと、これまでにあわせて123本が運休し、およそ15万人に影響が出たということです。

タクシー3時間待ちの人も

神奈川県鎌倉市のJR大船駅のタクシー乗り場には6日朝も自宅に帰れずにタクシーを待つ人が長い列をつくっていました。

20代の女性は「きのう午後10時ごろに電車がとまってからやっとこの駅までたどりついてタクシーを3時間ほど待っています。1秒でも早く家に帰りたいです」と疲れた表情で話していました。

都内から茅ヶ崎市内に帰宅途中だという40代の男性は「5、6時間ほど立往生しました。疲れました」と力なく話していました。

70代の男性は「何時間待っているか分からないくらいタクシーを待っています。腰は痛いし、体調がよくないです。地元のバス会社などと連携して移動手段を確保してほしかったです」と話していました。

東海道線運転再開で安どの声

東海道線が運転再開した神奈川県鎌倉市のJR大船駅前では安どの声が聞かれました。

横浜市内から職場に向かう途中だという40代の男性は「ちゃんと再開されるだろうかと見ていたので、予定通りに再開されてなんとか仕事に間に合いそうです」と話していました。

80代の女性は「運転再開してよかったです。夏休みだからほっとしている人も多いのではないかと思います」と話していました。