パキスタン前首相に禁錮3年判決 在任中の汚職罪で 支持者反発

パキスタンの裁判所は、首相在任中の汚職の罪でカーン前首相に対して、禁錮3年の判決を言い渡しました。カーン氏は警察に拘束され、支持者らは「カーン氏の次の選挙への立候補を妨害するものだ」などと反発しています。

パキスタンのメディアやカーン氏の弁護士によりますと、カーン氏は、首相在任中に外国の政府関係者から贈り物を受け取り、売却したにもかかわらず、それを正確に報告していなかったなどとして、ことし5月に起訴され、汚職の罪に問われていました。

これについて、カーン氏は否認していましたが、パキスタンの首都イスラマバードにある裁判所は5日、「カーン氏の不誠実さが疑いもなく証明された」などとして、禁錮3年の判決を言い渡しました。

判決が出たあとカーン氏は、東部ラホールにある自宅で、警察に拘束されました。

カーン氏の弁護士によりますと、今後、上訴する方針だということです。

カーン氏はことし5月にも、別の汚職の容疑で捜査当局に逮捕され、その後、裁判所から釈放命令が出ていました。

カーン氏は、去年4月議会での不信任決議の可決によって失職しましたが、パキスタンで急激なインフレなど経済の混乱が続く中、現政権に不満をもつ若者や貧困層などから、根強い人気があります。

現地ではことし秋にも、議会下院の選挙が行われる見通しで、支持者らは「カーン氏の次の選挙への立候補を妨害するものだ」などと反発しています。