洋上風力発電めぐる事件 秋本議員の求めに応じ資金提供か

洋上風力発電をめぐり賄賂を受け取った疑いがあるとして、秋本真利衆議院議員の事務所が捜索を受けた事件で、東京の風力発電会社の社長から渡ったとされるおよそ3000万円は、おととしの秋以降、秋本議員の求めに応じる形で現金で手渡したり口座に送金したりして提供されていたことが分かりました。

東京地検特捜部は5日、東京の風力発電会社と社長の自宅を贈賄の疑いで捜索し、資金の流れや趣旨などの解明を進めているものとみられます。

政府が導入拡大を目指している洋上風力発電をめぐり、多額の賄賂を受け取った収賄の疑いがあるとして、東京地検特捜部は4日、秋本真利衆議院議員(47)の事務所などを捜索し、5日は贈賄の疑いで、東京 千代田区の風力発電会社「日本風力開発」の本社と塚脇正幸社長の自宅を捜索しました。

弁護士によりますと、秋本議員と塚脇社長は競走馬の馬主仲間で、社長はおととし10月からことし6月までの間に、秋本議員の求めに応じる形で20回ほどにわたって合わせておよそ3000万円を馬の購入代金や運営に係る費用として提供していたということです。

こうした資金は秋本議員に現金で手渡したり、2人が設立した馬主組合や取引先の牧場などの口座に送金したりして、提供されたということです。

特捜部は4日、馬主組合の関係先も捜索しました。

組合が所有する馬の管理や減価償却などの税務処理は、秋本議員が1人で行っていたということで、特捜部は社長から提供された資金は組合を実質的に管理する秋本議員個人への賄賂だった可能性があるとみて、資金の流れや趣旨などの解明を進めているものとみられます。

一方、塚脇社長の弁護士は「馬主組合の持ち分の45%は社長のものだということを示すメールが残っており、賄賂を贈った疑いがあるという指摘は全く事実と違う」などと説明しています。