自民 秋本真利議員が離党 賄賂受領の疑いで検察が事務所捜索

洋上風力発電をめぐり、賄賂を受け取った疑いで東京地検特捜部から事務所などの捜索を受けた自民党の秋本真利衆議院議員は5日、離党しました。

特捜部は5日午前、東京の風力発電会社の社長の自宅を贈賄の疑いで捜索しました。

政府が導入拡大を目指している洋上風力発電をめぐり、自民党の秋本真利衆議院議員が東京の風力発電会社「日本風力開発」側から多額の賄賂を受け取った疑いがあるとして、東京地検特捜部は4日に収賄の疑いで秋本議員の事務所などを捜索しました。

これを受けて秋本議員は4日、外務政務官を辞任しました。

そして5日午前、代理人を通じて自民党に離党届を提出し、受理されました。

与党側からは、今後の捜査によっては政権運営への影響が避けられないと懸念する声が出ています。

一方、野党側からは岸田総理大臣が説明責任を果たすべきだとか、事実であれば秋本議員は議員辞職に値するといった指摘が出るなど批判を強めています。

自民 茂木幹事長「極めて遺憾 説明責任を」

自民党の茂木幹事長は「今回の件は極めて遺憾であり、秋本議員は説明責任をしっかりと果たし、事案の解明に努めてほしい」というコメントを出しました。

立民 安住国対委員長「徹底的に追及したい」

立憲民主党の安住国会対策委員長は仙台市で記者団に対し「国会の質問を使って利益誘導をはかり見返りに金をもらった疑いがあれば、舞台は国会なので徹底的に追及したい。自民党は責任を持って調べて報告すべきで『離党したから関係ない』というほおかぶりはダメだ」と述べました。

風力発電会社の社長宅を捜索

東京地検特捜部は5日午前9時すぎ、贈賄の疑いで、東京・千代田区にある風力発電会社「日本風力開発」の社長の自宅の捜索に入りました。

関係者によりますと、日本風力開発側から秋本議員側に提供された資金はおよそ3000万円にのぼるとみられるということです。

秋本議員は国会で、洋上風力発電事業への参入を目指す日本風力開発が有利になるような質問をしていて、特捜部は多額の資金提供が国会議員としての職務に関する賄賂に当たる可能性があるとみて、国会質問の詳しい経緯を調べているものとみられます。

日本風力開発の社長の弁護士は、「秋本議員側に賄賂を贈った疑いがあるという指摘は全く事実と違う」などと主張しています。