3年前、オーストラリアの前の政権が新型コロナウイルスの発生源を解明する独立した調査が必要だという考えを表明したことに中国が反発し、両国の関係は急速に冷え込みました。
中国はオーストラリア産の大麦に対して80.5%の高い関税を課す措置を決め、これまで続けてきました。
この措置について、中国商務省は5日から撤廃すると4日、発表しました。
商務省は「中国の大麦市場の状況が変わったため、オーストラリアから輸入する大麦に対する措置を続ける必要がなくなった」としています。
中国側としては、今回の措置を撤廃することでオーストラリアとの外交関係の改善を進め、停滞した経済の立て直しにつなげるねらいもあるとみられます。
また、今回の発表についてオーストラリアのウォン外相は「オーストラリアの生産者と中国の消費者にとって正しい結果だ」と述べ、歓迎する意向を示しました。
そして、これまで中国の関税措置を不当だとしてWTO=世界貿易機関に提訴していましたが、手続きを取り下げるとしています。

中国 オーストラリア産大麦への高い関税措置 5日から撤廃へ
中国政府は3年前に導入したオーストラリア産の大麦に80%余りの高い関税を課す措置について、5日から撤廃すると発表しました。外交関係の改善と経済立て直しにつなげるねらいもあるとみられます。