東京 JR北千住駅で利用者の密集を防ぐ 帰宅困難者対策訓練

首都直下地震などが発生した際に大きな課題となっている帰宅困難者対策の解決につなげるため、東京 足立区のJR北千住駅で利用者を誘導して密集を防ぐ訓練が行われました。

東京都や鉄道事業者などが行った訓練は、首都直下地震によって電車が止まり、多くの帰宅困難者が発生したという想定で、JR北千住駅で行われました。

地震で電車が使えなくなり帰宅困難となった参加者たちが駅員や区の担当者の指示に従い、最寄りの「一時滞在施設」に移動していました。

東京の都心は午前10時前に35度ちょうどに達するなど猛烈な暑さとなっていて、参加者には熱中症対策として水やうちわなどが配られていました。

都が去年公表した被害想定では、都内に人が集中する昼ごろに大地震が起きた場合、帰宅困難者は最大で453万に達するおそれがあるとされ、行き場を失った人が一カ所に押し寄せたり一斉に移動したりすると「群集雪崩」などが起こる可能性も指摘されています。

訓練に参加した人は「災害時は自分で自分の身を守ることが前提だとは思いますが、われさきに助かろうとするのではなく、係員の指示に従うことが大事だと感じました」と話していました。

東京都の西平倫治事業調整担当課長は「焦って行動すると人が密集するおそれもあるので、帰宅が困難になってしまったらむやみに行動しないこと、ふだんから家族と安否確認の方法を確認し合うなどの対策をしてもらいたい」と話していました。

都はこのほか、通信アプリ「LINE」を活用して、最寄りの一時滞在施設までのルートを確認できたり、密集している場所を把握して、通知したりできるシステムの開発も進めています。