上半期の農林水産物と食品の輸出額 7100億円余 過去最高に

ことし1月から6月までの農林水産物と食品の輸出額は7100億円余りと、この時期としては過去最高となりました。コロナ禍の行動制限が多くの国で解除されて外食需要が回復したうえ、円安で割安感が出ていることが主な要因です。

農林水産省の発表によりますと、ことし1月から6月までの農林水産物と食品の輸出額は7144億円と、前の年の同じ時期を9.6%上回り、この時期としては過去最高となりました。

新型コロナによる行動制限が中国など多くの国で解除されて外食向けの需要が回復したことや、円安による割安感から輸出が伸びたことが主な要因です。

品目別で輸出額の増加が大きかったのは、
▽香港向けで伸びた真珠がおよそ2.3倍の223億円
▽清涼飲料水が23%増えて272億円
▽牛肉が22%増えて261億円でした。

国や地域別では
▽中国が1394億円と最も多く
次いで
▽香港が1154億円
▽アメリカが964億円などとなっています。

一方で、福島第一原発にたまる処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する方針をめぐって、最大の輸出先の中国が先月以降、水産物などの検査を強化し、輸出が滞る事態も起きています。

農林水産省は「中国の影響を予測するのは難しいが、規制の撤廃を働きかけるなど輸出目標の達成に向けて取り組みを強化したい」としています。