台風6号【被害・影響】沖縄で2人死亡 82人けが 3万戸以上停電

台風6号で、沖縄県や鹿児島県では、被害や影響が広がっています。

【鹿児島 交通影響】6日も欠航相次ぐ

台風6号の影響で鹿児島県内では6日も多くの海や空の便で欠航が決まっています。

(海の便)
6日の欠航が決まっているのは高速船トッピー・ロケット、プリンセスわかさ、フェリー屋久島2、クイーンコーラルプラス、クイーンコーラルクロス、「さんふらわあ」、「フェリーかけろま」、「せとなみ」です。

(空の便)
日本航空の県内の離島を発着する便のほか、スカイマークの4便、ソラシドエアの4便、ピーチ・アビエーションの4便で、欠航が決まっています。

航空各社は、ホームページなどで最新の情報を確認するよう呼びかけています。

(バス)
奄美大島で運行している路線バス「しまバス」は6日も始発から終日運休するということです。

(JR)
JR九州は日豊本線の特急「きりしま」と日南線の志布志駅と宮崎県の青島駅の区間の普通列車の運転を終日、取りやめることを決めました。

また、日豊本線の鹿児島中央駅と都城駅の区間では始発から本数を減らして運転すると予定だということです。

【沖縄 被害】5日17:00時点 2人死亡 82人けが

NHKが警察や消防に取材したところ、5日午後5時の時点で沖縄県内では台風6号の影響でこれまでに2人が亡くなったほか、82人がけがをしました。

このうち名護市では5日午前10時すぎ、海沿いの道路を走っていた乗用車に高波が当たり、運転していた20代の女性が腕に軽いけがをしました。

また、3日は停電した自宅で長時間過ごしていたという沖縄市の40代の男性が、熱中症の疑いがあるとして救急搬送されたほか、那覇市では、バイクを運転していた50代の男性が車道の倒木を避けようとしたところ転倒してけがをしました。

そして、今月1日には大宜味村で90歳の男性が倒壊した車庫のトタン屋根の下敷きになり亡くなったほか、うるま市で89歳の女性が、夜間に停電した家の中でろうそくを使用していたところ火事になって住宅が全焼し、女性はやけどをして死亡しています。

5日は、高潮の影響で県内各地で道路が冠水していて、名護市や本部町では運転中の車が2台、動けなくなりました。乗っていた男性3人は、いずれも自力で車の外に脱出し、けがはありませんでした。

沖縄県によりますと、建物の浸水被害も起きていてこれまでに床上浸水は沖縄市やうるま市などであわせて5件、床下浸水は恩納村で1件確認されています。

【鹿児島 被害】5日17:00時点 3人けが

鹿児島県内では台風6号の影響で風にあおられて転倒するなど、これまでに3人がけがをしています。

このうち与論町では、5日午前8時前、60代の女性がスーパーのドアを開けたときに風にあおられて転倒し、腰を骨折したということです。

瀬戸内町では今月1日、加計呂麻島で70代男性が風にあおられて転倒し、顔面を強く打つけがをしたほか、和泊町では今月2日に70代の女性が転倒してけがをしています。

【沖縄 停電】 5日17:00時点

沖縄県内では5日午後5時の時点で、3万880戸が停電しています。

【鹿児島 停電解消】 5日20:30時点

九州電力によりますと、台風6号の影響で鹿児島県の奄美大島や徳之島など離島の一部で停電が発生していましたが、5日8時半すぎまでにすべて解消したということです。

【沖縄 交通影響】5日17:00時点

5日の沖縄県内は、那覇空港を発着するすべての便が欠航するなど交通機関に大きな影響が出ました。6日も引き続き、多くの交通機関で影響が出る見通しです。

(空の便)
5日に350便あまりが欠航したのに続き、6日も那覇や久米島を発着する便で351便の欠航が決まっています。

全日空が102便、日本トランスオーシャン航空が62便、琉球エアーコミューターが42便、日本航空が39便、スカイマークが38便、ピーチ・アビエーションが34便、ソラシドエアが26便、ジェットスターが8便となっています。

(海の便)
5日は本島と周辺の離島、宮古島と周辺の離島を結ぶ路線で全便が欠航しました。

6日も、本島と周辺の離島を結ぶ一部の路線で欠航が決まっているほか、宮古島と周辺離島を結ぶ便でも欠航が決まっています。

多くの船会社は、6日の朝、海上の状況を見て判断するとしていますが、運航するのは難しいとしています。

(バス)
沖縄本島の主な路線を運行する琉球バス交通、那覇バス、沖縄バス、東陽バスの4社は5日、全線で終日運休しています。

6日の運行については、6日午前4時ごろに発表する予定です。

(モノレール)
沖縄都市モノレール=ゆいレールは、5日は始発から運休していて、6日の運行については、あす午前4時にホームペ-ジなどで発表する予定です。

沖縄 宮古島 薬不足する懸念も

台風6号の影響で船や飛行機の便の物流が止まっている沖縄県の宮古島では、一部の薬が不足する懸念も出ています。

宮古島市内にある薬局では、糖尿病の患者に処方する薬などが少なくなってきていて、一度に処方する薬の量を減らすなどして対応しているということです。また、宮古地区薬剤師会ではSNSを使って薬局どうしで情報交換し、足りなくなった薬を融通しあう対応も行っているということです。

市内で薬局を営む宮古地区薬剤師会の下地睦夫会長は、「島内には生活習慣病の患者も多く日常的に薬が必要な人もいるので、薬が十分に提供できなくなることは心配です。次はいつ薬が入ってくるのかそれまでに残りの薬で十分に提供できるかが不安です」と話していました。

沖縄 宮古島 ガソリンスタンドで給油制限

台風6号の接近に伴い、沖縄県の宮古島では船や飛行機による物流が止まり、ガソリンスタンドではガソリン不足の懸念から、給油できる量の制限が始まっています。

宮古島市内にガソリンを供給している「りゅうせき宮古支店」によりますと、ガソリンを運ぶタンカーは先月下旬を最後に止まっていて、次の出荷のめども立っていないということで、会社では市内のガソリンスタンドへの出荷量を一時的に減らす対応をとっています。

この影響で、ガソリンスタンドでは5日の入荷量が通常の6割ほどにとどまっていて、給油できるガソリンの量を1台あたり10リットルほどに制限しています。

給油に訪れた50代の男性は「離島なので給油の制限が始まってしまうのは仕方ないと思いますが、もう少し安心できるようになればなと思います」と話していました。

【鹿児島 交通影響】5日11:30時点

台風6号の接近に伴い、鹿児島県内の交通機関に影響が出ています。

(海の便)
5日欠航が決まっているのは、「フェリーあまみ」、「フェリー屋久島2」、「フェリー太陽2」、「フェリーあけぼの」、「フェリー波之上」、「高速船 甑島」、「プリンセスわかさ」、「フェリーかけろま」、「定期船 せとなみ」、「フェリーはいびすかす」、「フェリーニューこしき」、「高速船トッピー・ロケット」の午後の便です。

(空の便)
鹿児島空港を発着する便では離島を結ぶ便を中心に日本航空の37便、ソラシドエアの4便、スカイマークの3便の欠航が決まっています。また、奄美空港を発着するすべての便が欠航します。

航空各社は、ホームページなどで最新の情報を確認するよう呼びかけています。

(バス)
奄美大島で運行している路線バス「しまバス」は始発から終日運休しています。

(鉄道)
JR九州によりますと、大雨の影響で日豊本線の鹿児島中央駅と宮崎駅の間、日南線の志布志駅と南宮崎駅の間で運休が出ています。

沖縄 名護市で道路冠水 水位がひざくらいの高さに

警察によりますと、台風6号の接近による高潮で、沖縄県名護市では一部の道路で冠水しているのが確認されているということです。

このうち、東江地区にある名護警察署の周辺の道路では、4日から冠水していましたが、5日午前9時半ごろには、ひざくらいの高さまで水位があがったということです。

また山入端地区では、4日午後11時から国道が通行止めになっているということです。

沖縄気象台によりますと、名護市東江地区と同じ西海岸にある那覇市の満潮時刻は5日午前9時23分で、名護市では午前9時前後が満潮だったとみられるということです。

台風6号の影響で、沖縄県名護市の海岸沿いにある住宅では、高潮で道路が冠水するなどの被害が出ています。

名護市東江に住む岸本直也さんによりますと、4日の朝から住宅周辺に海水や砂、石などが流れ込んでいましたが、5日朝に確認したところ道路がおよそ25センチほど、冠水していたということです。

岸本さんは、「家の周辺は海のような感じです。30年住んでいますが初めての経験で、怖さを感じています」と話していました。

石垣島沖 座礁船の船体2つに割れる 台風で破断か

沖縄県 石垣島沖合の国内最大のサンゴ礁が広がる海域で、ことし1月に座礁した貨物船の船体が2つに割れているのが見つかりました。

海上保安本部によりますと、台風の影響で破断したとみられるということです。

パナマ船籍の貨物船「シンハイズー2」は、ことし1月、国内最大のサンゴ礁海域で国立公園に指定されている「石西礁湖」で座礁し、中国人の乗組員19人は全員、無事救助されました。

7月13日からは、船の撤去作業が始まっていましたが、第11管区海上保安本部によりますと、4日朝7時半ごろ、座礁船の船体が2つに割れているのを巡視船が確認したということです。

4日午前11時すぎ、海上保安本部のヘリコプターが撮影した写真では、船体の中央部が破断し、後ろの部分が横倒しになっていて、海上保安本部によりますと、台風の影響で破断したとみられるということです。

海上保安本部によりますと、燃料の重油の抜き取り作業はほとんど完了していて、油の流出は確認されていないということです。

沖縄県は、船を撤去する業者に対応を求めることにしています。

久米島のスーパーでは 船便欠航で品切れも

船の入港が止まっている沖縄県の離島のスーパーでは、食料品などの入荷ができず、野菜や肉、牛乳などがほぼすべて品切れとなるなど、さらに深刻な状況となっています。

沖縄本島の西にある久米島では、台風の影響で食料などの物資を運んでいる船便が7月30日の午後以降、欠航しています。

このため、島内にあるスーパーでは食料の入荷ができず、8月1日以降、野菜や肉、牛乳など、なま物は、ほぼすべて品切れとなっています。

また、停電の影響で、冷凍食品の一部を廃棄せざるをえなかったということです。

船会社によりますと、台風6号の再接近で5日と6日も船の運航再開は難しそうだということで、来週以降も、品薄の状態が続くと見られます。

久米島町は、久米島を発着する航空会社に対し、運航が再開され次第、食料などの物資を運んでほしいと要望しています。

Aコープ久米島店の島袋義則店長は「台風の影響がここまで長引くとは予想していなかったです。お客さんのためにも早く商品を入荷したいので、台風が早く通りすぎてほしいです」と話していました。

那覇のカプセルホテルでは

飛行機の欠航が続く中、那覇市にあるカプセルホテルでは、観光客や自宅が停電した地元の人などの利用が相次いでいます。

那覇市国際通りにあるカプセルホテルでは、一時満員に近い状態となり、現在も、ふだんより高い稼働率となっています。

延泊できなかった観光客がシャワーや入浴だけを利用するケースや、停電で自宅で冷房が使えない地元の人たちが、日中だけ利用するケースもあったということです。

大阪から旅行にきた22歳の外国人留学生は「もともと別のホテルに滞在していたが、2日に停電したので、ここを利用している。宿題や仕事をして過ごしている」と話していました。

ワイズキャビン&ホテル那覇国際通りの相澤初美支配人は「予約の変動も多く、一時は清掃スタッフも来れないので、部屋を十分に準備できず大変だった」と話していました。

宮古島では 欠航で収穫したマンゴー出荷できず

船や飛行機の便など、物流が止まっている沖縄県の宮古島では、収穫したマンゴーを出荷できない農家が苦悩を深めています。

沖縄県宮古島市上野宮国のマンゴー農家では、出荷の最盛期を迎えていますが、台風の影響で7月末から出荷できず、保管しているマンゴーは合わせて1トン以上に上っているということです。

冷房が効いた部屋で保管していましたが、停電の影響で3日夜9時ごろまで30時間以上、冷房が使えなかったということで、影響を心配していました。

また、4日午前中に収穫したおよそ100キロのうち、ほとんどが、強風で袋とすれて傷ついてしまい、ジュースやゼリーなどの加工品に使われることになったということです。

マンゴー農家のマティダファームの上地克※治代表は「出荷できないことは、台風の直接的な被害より大きな被害です。おいしいマンゴーを作ってお客さんに喜んでほしいと思っているので、それがかなわないことがいちばん悔しいです。台風の影響が4日、5日続くとなると、何のために頑張っているのかと感じます」と話していました。

※「治」は、にすい

停電の自宅で“熱中症”か 40代男性が搬送

沖縄県の沖縄市消防本部によりますと、3日午後10時半ごろ、腹痛と吐き気を訴えた40代の男性が熱中症の疑いがあるとして救急搬送されました。搬送時、意識があり軽症だということです。男性は停電した自宅で長時間過ごしていたということです。

【携帯電話影響】 4日19:00時点

台風6号の影響で沖縄県の一部の地域では、携帯電話がつながらないか、つながりにくい状態となっています。

【NTTドコモ】
4日午後7時時点で沖縄市、うるま市、名護市、南城市、糸満市、国頭村、恩納村、金武町、伊江村、本部町、宜野座村、読谷村、北谷町、八重瀬町、久米島町、渡名喜村、座間味村、渡嘉敷村の一部の地域でつながらないか、つながりにくくなっています。

【KDDI】
また、KDDIが展開するauや、同じ回線を利用している楽天モバイルなどの携帯電話では、4日午後6時時点で沖縄県名護市、沖縄市、国頭村、今帰仁村、恩納村、伊江村、座間味村、渡嘉敷村、伊平屋村、伊是名村、久米島町、竹富町のそれぞれ一部の地域で携帯電話がつながらないか、つながりにくくなっています。

【ソフトバンク】
4日午後5時時点で、沖縄県名護市、糸満市、うるま市、南城市、国頭村、大宜味村、東村、今帰仁村、本部町、恩納村、伊江村、読谷村、渡嘉敷村、座間味村、渡名喜村、伊平屋村、久米島町の一部の地域でつながらないか、つながりにくくなっています。

携帯電話各社がWi-Fi無料開放

携帯電話会社各社は、無線LANのWi-Fiについて沖縄県全域で無料で開放しています。スマートフォンやパソコンをWi-Fiが設置されている場所に持っていき、ネットワーク名を「00000JAPAN」に設定すると、契約している携帯会社にかかわらず、インターネットが無料で使えるようになります。ただし、緊急時に誰でも使えるように利便性を確保するため通信の暗号化などのセキュリティー対策は取られていないため、利用する際は緊急時の安否確認や情報収集にとどめるよう呼びかけています。