ロシア 無人の月面探査機 今月11日に打ち上げへ 約半世紀ぶり

ロシアの宇宙開発公社は、旧ソビエト以来およそ半世紀ぶりとなる、無人の月面探査機を今月打ち上げると発表しました。

打ち上げは11日になると伝えられ、世界で初めてとなる月の南極付近への着陸を試みる計画です。

ロシアの宇宙開発公社「ロスコスモス」は2日、無人の月面探査機「ルナ25号」を今月、極東アムール州にあるボストーチヌイ宇宙基地からソユーズロケットで打ち上げると発表しました。

国営ロシア通信は、探査機は11日に打ち上げられ、今月中に月への着陸を試みる見通しだと伝えています。

ロシアが月面探査機を打ち上げるのは、旧ソビエト時代の1976年の「ルナ24号」以来、およそ半世紀ぶりとなります。

当初は2015年ごろにも探査機の打ち上げが計画されていましたが、開発の遅れなどで繰り返し延期されてきました。

探査機は世界で初めてとなる、月の南極付近への着陸を試みて、1年ほどかけて水を含む月の資源や月の内部構造について調べる計画です。

月面への着陸は、インドが先月打ち上げた「チャンドラヤーン3号」も今月下旬、試みる予定です。

月は近年、水の存在を示す論文が相次いで発表され、人類が宇宙での活動領域を広げる上で拠点となる場所に位置づけられ、国家間の競争が激化しています。

アメリカは再来年、宇宙飛行士が月面に降り立つことを目標にしていて、ロシアとしても将来的な有人月面着陸も視野に、2027年ごろにはさらに探査機を送ることを計画しています。