ニジェール クーデターで緊張 欧米の国々が自国民の退避進める

軍によるクーデターで欧米寄りの大統領が排除された西アフリカのニジェールをめぐり、アメリカ政府は首都ニアメーにあるアメリカ大使館の一部の職員らを一時退避させることを決めました。周辺国の間ではクーデターを非難する国々と、擁護する国々との対立が深まっていて、緊迫した状況が続いています。

ニジェールでは先月、軍の部隊が欧米寄りの大統領を排除し、軍事政権を発足させたと発表したのをきっかけに、旧宗主国のフランスに反発するデモが起き、フランス大使館の建物の一部が破壊されるなど混乱が広がっています。

これを受けてアメリカ国務省は2日、首都ニアメーにあるアメリカ大使館の一部の職員とその家族を一時退避させることを決めたと発表しました。

また、フランスやイタリアはニジェールに滞在する自国民らを航空機で退避させ始めています。

このうち、フランスにはこれまでに350人あまりが到着し、日本政府は日本人2人も退避したとしています。

一方、周辺国で作るECOWAS=西アフリカ諸国経済共同体はクーデターを強く非難し、今週中に大統領を復権させなければ、軍事力の行使も辞さないとの姿勢を示し、2日には軍の担当者による協議も行いました。

また、ニジェールの電力の大半を供給している隣国ナイジェリアは、軍事政権への制裁の一環として送電を停止し、ニジェールの主要な都市で停電が起きていると伝えられています。

これに対し、同じくクーデターで軍が政権を掌握したマリやブルキナファソは、「ニジェールへのいかなる軍事介入も自国への宣戦布告と見なす」と反発していて、周辺国の間の対立も深まっています。