ロシア モスクワで攻撃の無人機 ウクライナ製含まれていた見方

ロシアの首都モスクワではビジネス街の高層ビルに無人機が相次いで飛来し、建物の一部が損壊する被害が出ました。ウクライナ側は関与を明言していませんが、攻撃に使われた無人機にはウクライナ製のものが含まれていたという見方がでています。

ロシアの首都モスクワでは先月30日に続いて、1日にもビジネス街「モスクワシティ」にある高層ビルに無人機が墜落して建物の一部が損壊しました。

市民からは不安の声が聞かれ、「モスクワシティ」で働く女性は「みんな憂うつだと思う。同僚たちも気分が沈んで、きょうは職場に来たがらず、リモートワークを申請する人が多かった」と話していました。

ウクライナ側はモスクワなどで相次いでいる無人機攻撃について関与を明言していませんが、アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは先月31日付けの記事で、攻撃に使われた無人機には少なくとも3種類のウクライナ製のものが含まれていたとする見方を伝えました。

このうちの1つは、ウクライナ人のインフルエンサーがSNSを通して集めた資金を使ってウクライナで開発されたとし、ほかの2種類についても、ロシア国内で撮影された機体の残骸の画像などから、ウクライナで製造されている種類の無人機であることがわかったとしています。

また、専門家の話などをもとに航続距離が数百キロに及ぶと見られると伝えています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も1日、「ウクライナの関係者が無人機攻撃を行った可能性が高い。複数の情報筋が無人機はウクライナ製だと示唆している」と指摘しました。

一方、ウクライナ南部オデーサ州の知事は2日、夜間にロシア軍による無人機攻撃を受け、港湾施設などで火災が起きたと発表しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、「ロシアのテロリストは再び港湾、穀物、世界の食料安全保障を攻撃した」とSNSに投稿し、ロシア軍が穀物の積み出し港がある南部を繰り返し攻撃していると改めて非難しました。