米ワーナー・ブラザース メッセージを削除し謝罪

アメリカで公開された映画「バービー」の配給会社、アメリカの「ワーナー・ブラザース」は、原爆を連想させるSNSの投稿に対して好意的とも受け取れるメッセージを出したことについて、8月1日「心から謝罪します」などとする声明を出しました。

アメリカでは、7月21日、映画「バービー」が、日本に投下された原爆の開発を指揮した学者を題材にした映画「オッペンハイマー」と同じ日に公開されました。

映画「バービー」を配給しているアメリカの「ワーナー・ブラザース」は、背後に炎が広がるなか、それぞれの映画の主人公を演じた男性の俳優が女性の俳優を肩に担ぐような画像が添えられたSNSの投稿に対し、映画の公式アカウントから「思い出に残る夏になる」と英語で記したメッセージを、ハートの絵文字を付けて返信しました。

アメリカでは、「バービー」は「オッペンハイマー」と同じ日に公開されたことなどから、SNS上では炎は原爆によるものではないかという受け止めが広がりました。

これについて、アメリカの配給会社「ワーナー・ブラザース」は8月1日、「無神経なSNSへの投稿を遺憾に思う。心から謝罪します」とする声明を出しました。

「思い出に残る夏になる」と記したメッセージは、すでに削除されています。

映画「バービー」と「オッペンハイマー」をめぐっては、両方のタイトルを掛け合わせた「バーベンハイマー」という造語が誕生するなど、大きな話題となり、SNS上には映画と原爆のイメージを合成した画像が複数投稿されていました。

広島の若者などで作る団体 会社の声明など求め署名活動

「ワーナー・ブラザース」が原爆を連想させるSNSへの画像の投稿に対し好意的とも受け取れるコメントを行ったことについて、広島の若者などで作る団体は、原爆の被害をやゆするような画像を投稿することをやめるよう会社が声明を出すことや、再発防止策の実施などを求めて、インターネット上で署名活動を行っています。

署名を呼びかけるサイトには「被爆者の方々がこれを見ると思うと、胸が潰れる思いです」と記されていて、2日午後4時時点でおよそ8000人分の署名が寄せられています。

集まった署名は今後、配給会社に送りたいとしています。

一方、ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンの国際運営委員を務める川崎哲さんは、「原爆被害をカジュアルに扱う投稿をすることは決してよいものではなく、怒りの声があがることは理解できる。ただ、映画そのものを全否定するのではなく、アメリカの人も含めて、原爆について考えるきっかけにしてもらいたい」と話していました。