道路の陥没などの問題 東京 調布の住宅街で地盤補修工事始まる

3年前、東京 調布市の住宅街で道路の陥没や地下の空洞が見つかった問題で、原因とされる地下のトンネル工事で緩んだ地盤の補修工事が2日から始まりました。

調布市の住宅街では2020年10月以降、陥没や地下の空洞が相次いで見つかり、地下深くで行われていた「東京外かく環状道路」の掘削工事を行っていた東日本高速道路などは、トンネルの真上にあたる幅16メートル、長さ220メートルの範囲で緩んだ地盤の補修を行う方針です。

工事はセメントと水を混ぜた液体を地中に高圧で噴射して土を固め、強度を元に戻すもので、2日朝は掘削用の棒を使って液体を注入するための穴を掘る作業が始まりました。

東日本高速道路は掘削工事を200か所以上で行い、液体を注入することにしていて、工事の完了にはおおむね2年かかる見込みだということです。

東日本高速道路は「現地の状況をモニタリングしながら、振動や騒音の軽減につとめるとともに、安全に細心の注意を払い責任を持って実施してまいります」とコメントしています。

一方、周辺の住民で作る団体は工事に伴う騒音や振動に配慮するほか、作業の詳しい内容や機器の安全性などについての情報を開示して、住民の安心につなげることなどを求めています。

住民団体のメンバーで、工事が行われる範囲に隣接する地域に暮らす丸山重威さんは「何か問題が発生したときは工事全体を止めて公表し、対策をとってもらいたい」と話しています。

「東京外かく環状道路」のトンネル工事をめぐっては、去年2月に東京地方裁判所が、陥没した地域を含む一部区間の工事中止を命じる決定をしていて、この区間での再開の見通しは立っていません。