日大アメフト部の部員 大麻とみられる薬物所持か 大学が調査

日本大学アメリカンフットボール部の部員が大麻とみられる薬物を違法に所持していた疑いがあることが分かり、大学が調査を進めるとともに、警視庁が見つかった植物片の鑑定を行うなど捜査しています。

日本大学や関係者によりますと「アメフト部の部員が寮で大麻を使用している」などと情報が寄せられ、大学側が調べたところ、先月、植物片が見つかったということです。

大学は部の活動を停止させたうえで、部員全員や監督、コーチ、それに退部した元部員から聞き取り調査を行い、先月22日には保護者会を開きました。

大学は警視庁に相談していて、警視庁は植物片の鑑定を行うなど捜査を進めています。

日本大学のアメフト部は5年前に悪質なタックルをした重大な反則行為で公式戦への出場資格停止の処分を受けるなどしたあと、再出発していました。

一方、日本大学では、3年前の2020年にラグビー部の部員が大麻を所持していたとして逮捕・起訴され、ラグビー部は活動を一時的に停止していました。

日大広報部「部員全員から聞き取り調査」

日本大学広報部はNHKの取材に対して「現在アメリカンフットボール部の寮内での問題について、監督、コーチ、退部者を含めた部員全員から聞き取りなどの調査を実施しており、そのため、部の全体練習を控えています。調査の結果、犯罪事実など不適切な事実が確認された場合には厳正に対処する所存です」としています。

関東学生アメフト連盟「再度調査し報告求めている」

関東学生アメリカンフットボール連盟は、NHKの取材に対し「外部から情報が寄せられ、日本大学アメリカンフットボール部に対して事実関係を調査して報告するよう求めたところ、おととい回答があったが、内容が不十分なため再度調査をして報告するよう求めている。事実関係を確認ししだい、しかるべき対応を検討する」としています。

日大アメフト部とは

日本大学のアメリカンフットボール部は、戦前の1940年に創部された関東の強豪で学生日本一を決める「甲子園ボウル」で21回優勝、日本一を決める「ライスボウル」で4回優勝しています。

輝かしい実績を残してきた一方で、2018年、関西学院大との定期戦で起きた重大な反則行為、いわゆる『悪質タックル』をめぐる問題で大きな批判を浴びました。

指導のあり方などが問われ、反則を指示した当時の監督やコーチは懲戒解雇され、チームも公式試合への出場資格停止の処分を受けました。

その後、新たな監督を公募するなどして立て直しを進め、1年で関東学生リーグ1部の上位チームで戦う「TOP8」に復帰して2020年に「甲子園ボウル」に3年ぶりに出場しましたが、昨シーズンは関東学生リーグ1部上位の10チーム中、7位でした。