台風6号 沖縄県 1人死亡 49人けが 約18万戸で停電【2日詳細】

台風6号で沖縄県や鹿児島県では被害や影響が広がっています。

【停電 沖縄県】2日23:00時点

沖縄電力によりますと、台風6号の影響で2日午後11時時点で県内すべての戸数のうち、およそ26%にあたる16万8150戸が停電しています。

沖縄電力によりますと、暴風のため本格的な工事作業に入ることができず、復旧のめどは立っていないということです。

【停電 鹿児島県】2日23:00時点

九州電力によりますと、台風6号の影響で鹿児島県内では2日午後11時の時点で
▼和泊町でおよそ3980戸
▼知名町でおよそ2410戸
▼与論町でおよそ950戸の合わせておよそ7340戸で停電しています。

【被害 沖縄県】21:00現在 強風で車庫が倒壊 男性死亡

NHKが警察や消防に取材したところ、2日午後9時現在、沖縄県内では台風6号による影響で1人が亡くなったほか、49人がけがをしました。

大宜味村の住宅では1日夜10時すぎ、この家に住む90歳の男性が倒壊した車庫のトタン屋根の下敷きになり、病院に搬送されましたが、およそ2時間後に死亡しました。

警察は台風の強風で車庫が倒壊した可能性があるとみて、詳しい原因を調べています。

また、宜野湾市では2日、20代の男性が倒木の撤去作業中に風にあおられて転倒し、左腕を骨折したほか、八重瀬町では2日午後、40代の男性が屋根で作業をしていて、滑った際に足を切るけがをしたということです。

中城村では1日夜、家の中にいた40代の男性が台風によって割れた窓ガラスの破片で額を切るけがをしたということです。

このほか、うるま市では1日夜、89歳の女性が停電した家の中でろうそくを使用していたところ火事になり、2階建ての住宅が全焼しました。

女性はやけどをして病院で治療を受けていましたが、2日夕方、死亡しました。

【被害 鹿児島県】17:00現在 2人がけが 空き家が全壊

鹿児島県内ではこれまでに2人がけがをしたほか、空き家が全壊する被害も出ています。

沖永良部島にある知名町役場によりますと、2日午前10時半ごろ、84歳の女性が避難所から病院に向かうために外に出たところ、風にあおられて転倒し、右肩を骨折したということです。

また、消防によりますと、沖永良部島の和泊町では2日午前10時すぎ、
71歳の女性が車から荷物を取ろうとしたところ、風にあおられて転倒しました。女性は腰などを強く打っていて、病院に搬送され治療を受け、命に別状はないということです。

このほか、与論町役場によりますと、2日午後0時半ごろに住民からの連絡を受けて役場の職員が現地で確認したところ、那間集落で木造1階建ての空き家が風にあおられて全壊したということです。

また、この空き家の屋根は、およそ50メートル離れた畑に飛ばされていたということです。

沖縄県 一部の地域 携帯電話 つながらないか つながりにくい状態

台風6号の影響で沖縄県の一部の地域では、携帯電話がつながらないか、つながりにくい状態となっています。

KDDIが展開するauや、同じ回線を利用している楽天モバイルなどの携帯電話では、2日午後6時時点で沖縄県名護市、糸満市、沖縄市、うるま市、南城市、今帰仁村、伊江村、読谷村、座間味村、伊平屋村、伊是名村のそれぞれ一部の地域で携帯電話がつながらないか、つながりにくくなっています。

また、NTTドコモは、2日午後6時時点で那覇市、沖縄市、うるま市、名護市、南城市、国頭村大宜味村恩納村、金武町、伊江村、本部町、読谷村八重瀬町、与那原町の一部の地域でつながらないか、つながりにくくなっています。

ソフトバンクは、2日午後5時時点で沖縄県名護市、糸満市、南城市、国頭村、大宜味村、東村、今帰仁村、本部町、伊江村、伊平屋村、久米島町の一部の地域でつながらないか、つながりにくくなっています。

久米島町 「長期化が不安」

沖縄県久米島町の幸地伸也総務課長はNHKの取材に対し「朝の9時ごろから役場庁舎も停電していて現在自家発電で対応しているが燃料にもかぎりがあるので電気とパソコンなどの必要最小限で対応し消費電力の大きいエアコンはつけずに業務を行っている」と話していました。
町の状況については、「避難所を開設しているがいつもの台風よりも多く町民が避難している。電気については久米島の半分以上の世帯が停電しているようだ」としています。
そして、台風の影響が長期化するおそれもあることについては、「病院での受診が必要な方もいるので長期化は大変心配だ。久米島も高齢者が多いので熱中症で体調を崩す方が出てくるのではないかと懸念している。食料については各施設に非常食を配備しているので各家庭に提供できる環境は整えている」と話していました。

久米島にある公立久米島病院によりますと、2日午前1時ごろから午前10時ごろまで、およそ9時間にわたって停電が続いたということです。
この病院には、およそ20人が入院していて、自家発電で電力の供給を続けたということですが、エアコンを切らざるを得ず、扇風機をかき集めて一晩しのいだということです。
病院の担当者は「台風はいま最接近しているが、しばらく影響が続きそうなので、再び停電しないかとても心配です」と話していました。

【農作物の影響】鹿児島県 特産のマンゴー出荷できず

鹿児島県徳之島では、台風の接近に伴って船が欠航している影響で、最盛期を迎えた特産のマンゴーが出荷できず、生産者はマンゴーを冷蔵施設に持ち込んで一時的に保管する対応をとっています。

鹿児島県徳之島町はマンゴーの栽培面積がおよそ3ヘクタールと生産が盛んな地域で、今は収穫の最盛期を迎えています。

しかし、台風6号の接近にともなって、船が欠航しているため、収穫したあと、すでに箱詰めされたマンゴーが、7月31日から島の外に出荷できない状態になっています。

町では、毎年、この時期、台風などの影響で船が欠航して、収穫しても出荷できなかったり成熟しすぎた一部のマンゴーを処分せざるをえないこともあったりしたことから、およそ1000万円をかけて冷蔵して保管できる施設を去年整備しました。

施設の利用は7月31日から受け付けていて、1日も生産者が箱詰めされた収穫したばかりのマンゴーを持ち込んでいました。

徳之島町農林水産課の常山慎平さんは「廃棄や処分をせずに生産者から消費者に届くためのお手伝いができればと思うのでこの施設を利用してもらいたい」と話しています。

【対策や備えの動き】

沖縄県宮古島の北側に位置する池間島の飲食店では、朝から入り口や窓を板で防ぐなど台風に備えて対策を進めていました。

宮古島から池間大橋を渡ってすぐ近くにある池間島の飲食店は、営業を始めてから27年がたちますが、オーナーによりますと20年ほど前の台風では店のガラスが割れ、風や海水が店内に入り込み、レジや冷蔵庫が故障したということです。

こうした経験に加え、気象台が暴風に警戒するよう呼びかけていることから、店では、1日朝から店の前に置いている看板やシーサーの置物を店内に移したほか、入り口や窓が壊れることがないよう木の板で塞ぐなど作業を急いでいました。

長嶺栄子オーナーは「40メートル以上の風が吹くと怖いですし、波と風向きが心配です。ここは海も近くて、風が吹くと砂がドアの隙間に入り、以前被害もあったので、窓がしっかり閉まっていることを確認します」と話していました。