英 石油ガス採掘権を大量付与方針 地球温暖化対策逆行と批判も

イギリス政府は、北部スコットランドの沖合にある北海でエネルギー会社に石油や天然ガスを採掘する権利を新たに数百、与える方針を明らかにしました。ロシアへのエネルギー依存度を減らすためだとしていますが、野党や環境団体は地球温暖化対策に逆行するとして批判しています。

イギリス政府は7月31日、石油や天然ガス開発が行われている北海で、この秋、エネルギー会社に100以上の採掘権を新たに与え、将来的には合わせて数百の採掘権を付与する方針を明らかにしました。

この日、スコットランドにあるエネルギー関連施設を訪れたスナク首相は、ロシアへの依存度を減らし自国のエネルギー安全保障を強化するとともに、雇用の維持につながると説明しました。

そのうえで「2050年の時点でも、われわれのエネルギーの25%は石油と天然ガスから生み出されることになる。輸入するより、国内で調達するほうが経済、エネルギー安全保障、環境への負荷などの面ではるかにいい」と述べ、新規開発は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという政府の目標とも矛盾しないと強調しました。

スナク首相はあわせて二酸化炭素を回収して地中にためる事業への追加支援も発表しましたが野党や環境団体は、クリーンエネルギーへの投資を増やすべきだなどと批判を強めています。