「イプシロンS」爆発事故 圧力容器が許容温度超え爆発か JAXA

7月に秋田県で行われた小型ロケット「イプシロンS」の燃焼試験中に爆発事故が起きたことについて、JAXA=宇宙航空研究開発機構は、燃料を入れた圧力容器が許容できる温度を超えたことで強度が維持できず爆発にいたった可能性が高いという分析結果を明らかにしました。

今月、秋田県能代市で行われた固体燃料式の小型ロケット「イプシロンS」の2段目の燃焼試験では、試験開始からおよそ1分後に爆発事故が起き、JAXAは原因の分析を進めています。

31日文部科学省が開いた会議の中で、JAXAはデータを分析した最新の結果を報告しました。

それによりますと、固体燃料の燃焼の異常やゴム製の断熱材の不良など、何らかの理由で圧力容器に大きな負荷がかかり、許容できる温度を超えたことで強度が維持できず爆発にいたった可能性が高いということです。

今回の事故を受け、来年度下半期を目指しているイプシロンSの初号機の打ち上げ時期の見直しが必要かどうか検討を進めるとしています。

また、会議では、ことし3月打ち上げに失敗した日本の新たな主力ロケット「H3」の初号機に関する調査状況も報告されました。

原因についてはエンジン内部の機器がショートなどを起こした可能性が高いことが分かっていて、想定される9つのケースから絞り込みを進めるとともに、今後打ち上げ再開に向けた具体的な対策を決める方針が説明されました。